引き続きいじめの原因を考えて見ます。


「擬似体験(間接体験)の肥大化!」

生物との接触機会の喪失と遊びの喪失以外に「他者の不在」を助長する要因があります。情報化社会の進展に伴い、ケイタイ電話やネットによって直接の人間との接触なしに、情報をやりとりする事が可能となりました。実体としての他者を形成しなくても、他者と直接接触しなくても、一応「事足りる」条件が整っているわけです。
 

米国では18才までに暴力シーンを20万回、殺人場面を18万回みるといわれる。日本でもそれに準じた数値と考えられます。他者が実体として築かれない状態の子供に、洪水のように刺激的な擬似体験が注入されているわけです。テレビやゲームでの場面を模した青少年犯罪がでてくるのは必然ですらあるわけです。子供はいつか見た場面を再現しているのです。

「食の乱れがいじめの要因になる!」

 現在の食育が主要に子供の体との関連で語られる場合が多いようですが、心のあり方とも密接に関連していると考えられます。やや古いのですが下記の内容ををみていただきたい。これは当時広島県福山市女子短期大学教授の鈴木雅子さん(病態栄養学)が中学校1年~3年の男女生徒1170人を対象に食生活のあり方と生活意識、不定愁訴、いじめ等との関係をアンケート調査した結果です。食生活のよいグループAから悪いグループEまで、5段階に分類してアンケートをとったものです。

「いらいら」については、Aグループでは男女とも3割前後なのに、Eグループでは9割以上になっています。「いじめている」は自己申告しにくい項目ですが、男子ではAグループではゼロ、Eグループでは4割となっている。女子はAグループで3パーセント、Eグループで17パーセントと5倍以上になっている。
 

食生活の悪いグループは、良いグループに比べ「自殺したいと思ったことがある」割合は2倍(男子)、7倍(女子)になっています。

更にストレスが高まっていることがいじめの背景にあるのではないかとの指摘もあります。その当否の判断はできませんが「ストレスへの抵抗力の低下」は確実に進行しているようです。現在の食生活がストレスへの抵抗力を強めるビタミンB群やカルシウム等のミネラルの不足する食生活になっているからです。

周知のように、ビタミンB群は胚芽米、玄米、麦、豆、胡椒等に多く含まれ、カルシウムは小魚、海草、乾物、牛乳、青菜等に多く含まれます。


そのほとんどは現在の西洋化した食生活がおしげもなく捨ててきたものです。現在の食生活が欧米化しており、又アンケート結果でもこのような結果になっている以上「食生活の劣化」はいじめの主要因の一つと考えるべきでしょう。

「いじめは構造的要因を有し、再生産されている!」

先にみたように、いじめの主要因は都市化や生活様式の変化に伴う構造的なものである。特殊な家庭環境等にその要因を求めると処方せんを誤ることとなる。

いじめが再生産構造を有している以上、その対処も恒常的なシステムとして存在しなければならない。従来のいじめ対応がもぐらたたきのように、成果を生まなかったのは、いじめを例外的な、特殊な事象ととらえて、その場しのぎの個別的対処で事足りると考えたからである。結果として、いじめ対応へのKNOW HOWの蓄積もなされてこなかった。