『2009年問題』
2,009年問題とは京都議定書(2008から2012の間での平均削減量の国際的取り決め)後の温暖化ガス削減の国際的枠組みが2009年までに決まることをさす。このような言葉がマスコミなどで使われているわけではないが、便利なのでこのブログでは使っていきます。
京都議定書後の取り決めは形式的には2013年から発効することになるが、2009年にその枠組みが決まれば2013年を待たず合意成立と同時に世界は動き出す。
2009年後の社会はそれ以前のものとは質的に大きく異なるものを目指すこととならざるを得ない。どのようなものか?
(1)「経済的には炭素本位社会となる」
・二酸化炭素の排出に費用(環境税か排出量取引か、そのの両方か)がかかり排出量を一定以下にすることが最優先課題となる。排出量が増えてくれば、その価格は引き上げられ、抑制のインセンティブが発動される。現在二酸化炭素は1トン当たり3000円ぐらいであるが10000円を超えていくのは確実で15000円、30000円までの可能性もあるといわれている。
・あらゆる商品には生産の全プロセスにおけるCO2排出量が記され環境負荷の多いか少ないかを、消費者が判断できるようになる。当然その排出量は価格にも反映する。
たとえば露地栽培の地元の野菜、それもなるべく化学肥料などを使っていないものが価格競争力を持つことになる。ビニール栽培は暖房に多くの重油を使い、輸入品は原価は安くても陸上、海上輸送にかかる燃料が多量の二酸化炭素を排出する。したがってエネルギー多消費商品はその排出量分にかかる費用が商品価格に上乗せされ、価格が大幅に上がることになる。
(2)「人、もの、金、技術が雪崩を打って環境分野に注ぎ込まれる」
・「炭素本位社会」になるということは温暖化ガスの排出に急ブレーキをかけるために、温暖化ガスの排出に高い値段をつけるということである。温暖化ガスの排出に高値がつくということは環境技術の重要性が急激に高まるということである。
環境技術が最も有望な産業分野となり、また省エネ競争に勝ち残れるかどうかが企業競争力の最大のファクターになる。
すでにEUはいうまでもなく、シリコンバレーや中東のアブダビなどでは次世代エネルギー開発に大きな資金が本格投入されつつある。
現在自動車産業でおこっているような環境競争がさらに大きな規模で、車以外のあらゆる分野でも本格化するということである。
現在来日しているブレア前首相は胸を張って語る。「英国では企業が環境対策を新事業の機会と捉え、政府の背中を押してきた。環境産業の従事者は石炭、船舶、鉄鋼を合わせた人数より多い」 (「日経」2008,3,16)
2009年以降の社会は一部先進的企業家や政治指導者によって現在すでに先取りされているのである。
どこかの国の経団連と政府指導者とはなんと差のあることであろうか。
温暖化に深刻な危機意識を持つブログ閲覧者へのお願い。2009年に向けて少しでも危機感を持つ人を増やしたいと思います。環境関係者への読者拡大よろしくお願いいたします。