『走り出す中国の環境戦略』
「中国の環境シフトは本物である」
以前も指摘したように中国は環境シフトにかじを切った。そのうえで環境技術の有利な獲得や排出権取引でのできる限り国益を反映したしくみづくりなどの条件闘争に入ったと以前指摘した。
その根拠をもう少し詳しくとの御意見があったので判断根拠を示します。
(1)党大会での環境シフト宣言
(2)11次5カ年計画でエネルギー消費量の20パーセント削減や、政府調達への『グリーン購入』の導入。
(3)2008年6月からスーパーなどでのレジ袋有料化。
これは日本では企業の自主的取組みに任されており、本格導入は京都などわずかな地域でしか実施されていない。
(4)地方政府には省エネ推進が義務ずけられて、達成が不十分であればトップは更迭される。
(5)日本の現地企業の環境関連の反応がよく、日本の企業関係も「今回は目の色が違う、本物だ」と語っている。
(6)「国際会議」での対応が変化した。
従来途上国の削減義務につながる可能性が高いということで、先進国が京都議定書のような総量規制を設けること(EUの主張)に消極的であった。その点ではアメリカ(日本?)と同じ立場であった。
ところが前回の国際会議では先進国の総量規制に賛成した。
つまり自国(途上国)が将来削減義務を負うことを覚悟したと考えられる。この判断は上記(1)ー(5)とあわせて考えたとき、ほぼ間違いのない予測である。
この中国の変化はこれからの世界の温暖化情勢を考える上で極めて重要であるが、私の知る限りそのような視点からの分析がなされていない。
EUが確信を持って環境シフトし、アメリカも新大統領は積極対応至であり、途上国代表の中国も本格的に動くということは、世界が動くということである。
いまや世界は、どこかの国のように、本格対応に踏み切るかどうかで迷っているステージではない。温暖化対応へのスピードを競い始めたのである。
ただし世界が温暖化シフトを急激に行ったとしても、IPCCのベストシナリオを実現し、EUや多くの学者が質的限界と意識している2℃未満を実現できる可能性は極めて低い。(プラス2度については既述)