「原油価格は下がるが、下がらない!」
一部すでに触れたことですが、2013年以降の京都議定書後の温暖化ガスの抑制の枠組みは、2009年までに決めるということが国際合意なされている。
EUの確固たる指導力とアメリカの新大統領の下で、大規模な削減目標が掲げられることになる。2050年に世界全体で50パーセント以上削減し、先進国は80パーセント以上を削減することになる(民主党大統領候補は両者ともこの数字を掲げている。
上記内容を実現するため、EUの求める先進国で2020年までに25-40パーセントの削減も受け入れられるだろう。
温暖化ガスの排出も2015年までにピークアウトさせる(使用量を減少に向かわせる)必要がある。これらを実現するべく社会の仕組みが変わり始めればば、何が起こるか。
社会構造が根底から変わらざるを得ない。.郊外型店舗は相次いで閉鎖され、コンパクトシティの本格的普及が始まる。
街中のシャッター通りが息を吹き返しはじめる。また、すでに若者に広まりつつあるマイカー離れがなだれのように進む。温暖化対応意識の最も進んでいる自動車業界も、この急速な変化に対応するのはきはめて困難である。
「このような状況 で原油価格はどうなっていくのか?」
原油生産国は三つの試練に直面する。
第1は原油に大幅な環境税がかけられるということである。
第2にエネルギー多消費型から、省エネのエコ生活を快感と感じる価値観の変化と原油の環境税付加により、原油需要が大幅に落ち込む。
第3に自然エネルギー技術(風力、太陽光など)の急速な伸びにより、原油の価格競争力が脅かされる。現在でも一部地域では風力発電コストが原油コストに近ずいている。
原油産出国は自然エネルギーの急速な伸びと環境税の原油価格への上積み、そして需要の減退により価格競争力を急速に失うことになる。したがって原油価格は産出国ベースでは大幅に値崩れし、消費者レベルでは環境税分が上乗せされるので相応の価格負担となる。
「かくて原油価格は生産者レベルでは値下がりするが、消費者レベルでは値下がりしないのである。」
以上のことは2009年を境にして起こる可能性のきわめて高い事態である。
上記の数字を実現するには、ラディカルな、質的社会変化が必要なのである。
あまりに急激な変化で「大げさでありそうもない」ことと感じられる方も多いと思います。
そのような方は、これから2009年にかけての1年半の事態の推移をよく見ていていただきたい。