(おわび)前回の記述でFRBによる「金利引き下げ」とかくべきところをところを「引き上げ」としてしまいました。訂 正させていただきます。申し訳ありませんでした。
(2)『米国一極支配の終わりの始まり』
サブプライム問題の第三ラウンドは、それがアメリカ一極支配の終わりの始まりをもたらすきっかけになるということである。
これまで何度となくアメリカの双子の赤字(経常赤字と財政赤字)を理由に米国の支配の終焉が予測され、そして外れてきた。その最大の理由はドルにかわる世界通貨の可能性がなかったからである。
しかし今やEUが米国並みの影響力行使を行う力をつけ、中国、ロシア、インド、ブラジルなどはアメリカの恫喝の利く存在ではなくなった。この間の温暖化への国際対応ではEUの独り舞台である。
また経済合理性を優先する限り、核兵器は使えぬ兵器であり、アメリカの経済的地位も相対的に大きく低下した。
軍事的優位性も東西冷戦の名残の残る中でのみ意味を持ち、経済的には双子の赤字を抱え込み、国民の貯蓄率はゼロに近い。
アメリカ主導の金融資本主義がつくりだした、実体経済を上回る規模のマネーが一人歩きをした結果が今回のサブプライムの破綻である。
尻尾が犬本体を振り回しつづけることはできないということである。アメリカ主導の金融資本主義がアメリカ一極支配の終焉をもたらすのは必然か、皮肉か。
次期大統領が軍事費の大幅引き下げと、緩やかなモンロー主義(他国への関与を控えた一国主義)回帰により、アメリカ再生のシナリオを描くことに成功する可能性はある。しかしこれまでのようなアメリカの突出した地位を回復することはありえないだろう。