(1)「サブプライムは第2ラウンド終盤にかかってきた」

 

 第1ラウンドはサブプライムが金融レベルでどれくらいの損失があるかである。アメリカ大手銀行の死に物狂いの資本増強とFBRのばたばたとした2回の金利引き下げ、最終保障の引き受けてであるモノラインまで影響が到達して第1ラウンドは終了した。

 貸し渋りはすでに起こっており、貸し剥がしも本格化するかもしれない。しかし、いずれにしても金融レベルでの影響の全体像はほぼ見えてきた。対象がはっきりすれば対処も可能と判断すべきである。

 

 第2ラウンドはサブプライムの実体経済への影響である。住宅不況がGDPの6割を占める個人消費の大幅減退に結びつき、景気後退が起こるのか、それともプラス成長をかろうじて維持できるかである。

 以前にも指摘したように、米国は経済政策においてすでにジレンマの状態にある。インフレ傾向はすでに確定トレンドであり金融当局の考慮すべき最優先事項であるにもかかわらず、金利を下げざるを得ない。

 雇用は悪化し、消費も冷え込み始めた。さらに米国への資金流入は変調をきたしつつあるが、金利低下でますます資金流入は滞るだろう。

 

 インフレ要因を復習すれば、 第1に中国製品のコスト高による安値輸出が困難になりつつあること。(人件費高、国内食品の値上がりによる輸出抑制、安全管理コスト増、環境対応コスト増)  


 第2に温暖化の影響によると思われる穀物収穫量の不安定性の高ま。在庫は一貫して減りつずけている。すでに逓減トレンドに入ったのかもしれない。

 

 この二つが世界的インフレの根本要因である。原油価格はもっと高くなるべきだが、一定レベルで抑制されるのでインフレトレンドの要因とはならない。この点は別の機会に詳述するつもりです。

 

 物価高という世界的トレンドの前で、EUはインフレを恐れて金利引き下げに消極的なのである。米国も同じ条件であるにもかかわらず、金融不安にあそれおののいて金利を下げざるを得なくなった。

 消費が落ち込みリセッシヨン必至の状況で物価が上昇しつづけるということは、不況下のインフレすなわちスタグフレーションの可能性が高くなったということである。

 サブプライムの実体経済への影響がスタグフレーションをもたらす可能性が極めて高くなったというのが第2ラウンドである。

 

この第2ラウンドの中で言えることは株価はジグザグを踏みながらも低下するだろうということである。なぜならこの第2ラウンドの内容さえ4、5割程度しか株価に織り込まれていないと思われるからである。

 

しかも今回の不況は第3ラウンドがあるのである。(次回)