B1「日本経済は少なくとも来年前半は失速する可能性が高い。中国の安値輸出は根本的に変化する。原油は下がる。株価はあるセクションを除いて低迷または暴落する。テンポははっきりしないが世界的にスタグフレーションへの歩みを始めている。」
(根拠)
①「政治の先見性の欠如と情勢認識の鈍さが国を危うくする」
日本経済にとってもっとも優先順位の高い項目はグローバルな競争に耐えられる構造改革である。まともな経済人であればそれは常識となっていることである。
しかし民主党の一部および小泉周辺の少数の自民党議員を除く大多数の政治家はそれを意識しておらず、対処不能状態である。構造改革の後退とそれに伴う生産性の低迷は日本経済にとっての最大のリスクである。きっかけがあれば日本売り、円安、株安につながる爆弾である.
②「中国はこれまでのように安価な輸出を続けることはできない」
穀物価格は長期の食糧不足トレンドとリンクする可能性が高まっており値下がりしないと思われる。
食糧危機の可能性が中期の確定トレンドであることは別に論じるが、穀物値上がりに伴い生活必需品中心に10パーセントにも及ぶ物価高は 来年以降も継続する。
経団連の掛け声にもかかわらず、収入の目に見える増加が望めないいじょう、消費には急ブレイキがかかる。
しかも生産性の低さとグローバルな競争が本格的賃金上昇を許さない。まずコンビニ業界が大きな打撃を受ける。
第二波は各分野に広がる。穀物高発不況である。穀物は肉も含めて大半の」食料品にかかわっている。
市場がインフレ要因として織り込んでいない内容は、中国の生産コストが大きく上昇するということである。内陸からの安い労働力供給が終わり、国内の物価上昇もあり人件費は急激に上昇してきている。
ベトナムなどへ生産拠点を移したり、日本回帰の動きがトレンド化しつつある。さらに最近問題となっている中国の安全管理や環境コストも工業製品値上がりの要因となる。これまでのような「世界の安値生産工場」の役割はつづけられない。環境シフトを本格化しつつある中国自身もそれを望んではいないだろう。
③「アメリカのドルは世界基軸通貨の地位を脅かされている」
EUのプレゼンスが急激に高まり、これまでの「ドルは信用できないがほかにないからドルを保有せざるを得ない」という状況が大きく変化しつつある。
EUのユーロが基軸通貨化が進行しつつある。少なくともドル以外の選択肢になりつつある。ユーロシフトはアラブ諸国だけではない、各種ファンドにもユーロシフトの動きがある。
サブプライム問題が実体経済にどの程度の影響を与えるかを市場は注視している。ドル危機のとき「大きすぎて見捨てられないから他国もアメリカに資金をつぎ込む」という経験則がきかない可能性もかなり高くなっている。EUのプレゼンスは温暖化対応を通じてこれからも大きくなっていくと考えられる。