オペラの楽しみ方にはいろいろあります。

自信をもって、好きなものを存分に楽しんで下さい。

何から観たら良いか分からない方は、講演会や授業の場でお尋ねください。

1979年当時、高校一年生の私は、「何から観たら良いか分からない」と言う前に、「観られるものから観よう、聴けるものから聴こう」と考え、新聞や雑誌で知ったオペラ公演の舞台収録(テレビ放映)やFMでの『海外オペラアワー』をむさぼるように味わっていました。

要は、放送されるものしか見る&聴くことが出来ず(オペラの実演も国内ではそんなになかったので)、手当たり次第に接しただけなのです。LPレコードや楽譜もアルバイトで少しずつ買いましたが、まずは無料で聴ける放送に集中していました。最初の数年間でいま思い出せるのは、《魔笛》《ドン・ジョヴァンニ》《フィガロの結婚》《ラ・ボエーム》《セビリャの理髪師》《シモン・ボッカネグラ》《こうもり》《メリー・ウィドウ》《マクベス》《ホフマン物語》《ペレアスとメリザンド》《カルメン》《アイーダ》などなど。

大学生になると《ル・シッド》《マリア・ストゥアルダ》《ラ・ジョコンダ》《アンドレア・シェニエ》《チェネレントラ》《オイリュアンテ》《秘密の結婚》《イポリートとアリシ》《シチリア島の晩鐘》などをカセットテープに録っていました。特に、《マリア・ストゥアルダ》や《イポリートとアリシ》は今でもずっと聴いています。「指揮者によってここまで違う!」と驚かされました。

お金が無くても、そんな風に、いろいろ楽しめましたし、味わえました。いまは動画サイトでより親しみやすいと思います。実演を観る前に音源や映像が頭に入っていると、実演の細部にも気づきやすいのです。

ですので、その時に感じたいろいろなことを、いまの放送の現場でなるべく活かすようにしています。「ホセは、フランス語の歌詞ではジョゼですが、日本では慣習的にホセと呼んでいます」などなど。

そんな少ない体験でも十分に楽しめましたし、何度も何度もカセットテープを聴き返したりしましたので、音楽もどんどん馴染んでゆきました。

ただ、忙しい大人の皆さんは、そこまでやっている時間も無いと思います。となれば、「一度聴いて耳に残った&目に留まった情報を中心に、ちょっとずつ積み上げてゆかれる」ので良いと思います。

ちなみに、「本物の感想は、自分独りのもの」なのです。

時に、他人の感想と響き合うこともありますが、基本的には自分のオリジナルの感情が湧いて出ます。

その「ご自身ならではの感覚」を忘れずにいらしたならば、実りが大きくなるように思います。

他の人が何を言おうが、基本的には関係ないのです。

ただし、本物の言葉なら、必ず、別の誰かの心に響くでしょう。

私自身がどれほど、本物の言葉を口にしているかは別にして、授業や講演会の席上で、私は毎回、かなりの数の「本物の言葉」を頂いています。私にはそれが一番有難いことですので、出来る限りそういう場を設けさせて頂きたいと考えています。





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講演会のご案内です。

連続講座の2回目、5月は「ワーグナーが作った声」です。

https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=8729124

聴き逃し配信もありますので、どうぞ気軽にご参加下さい!


★★ 筆者の講演会や放送の内容、雑誌やブログ等に発表した文章などに関するご質問、ご感想、ご意見はすべて、『直接の対面』にて承ります。