「半分悪魔じゃないっていうと、じゃあ何なの?」
「黒の反対って何色やと思う?」
質問に質問で返すのはマナー違反だと思うけど、そういう論法が通じる相手じゃないことはもうわかった。
「・・・・白、かな」
小さくうなずいて、質問を変える。
「悪魔の反対って何やと思う?」
「え・・・・神様とか、・・・・天使、とか?」
あたしの答えに、カイは満足げに笑みを浮かべた。
「本来黒いはずの悪魔が真逆の白色に生まれたんは、真逆の中身の天使の血のせいや」
え・・・・てことはさ。
「悪魔と天使の・・・・」
悪魔の笑みが深くなる。
「ハーフやねん」
ほんとに、ただの混血じゃんッ。
「何でウソつくのよ」
カイの足元でひざを抱えているリクを睨んだら、ごめんね、と視線だけあたしを見上げる。
「だって、自分の母親が天使だなんて恥ずかしくて言えないよ」
何で?思春期の少年かアンタ。
それを言うなら、父親が悪魔だって方が家庭に問題あるっぽいけど・・・・いやむしろ、オレって悪魔なんだゼとか、そっちのが恥ずかしいわ。
「リク、イチから説明したれ。こいつ、かわいそうな子見る目つきになってんで」
半笑いのカイに促されて、リクは見るからに渋々といった様子で口を開いた。
「・・・・悪魔が住んでる魔界って、この人間界に通じる天ノ川を挟んで、天使達が住む天界と隣合わせなんだ」
へえ。
「何となく悪魔と天使って仲悪いって思われてるみたいだけど、そうでもないんだよ。
昔はそういう時期もあったけど、今ではけっこう交流があって・・・・悪魔と天使が恋に落ちたりもするわけなんだけど」
「その間に生まれたのが、混血悪魔なのね」
「うん、悪魔の血の方が天使よりも強いから、生まれる子どもはパッと見は悪魔と変わらない」
そう言う彼のパッと見は、白く清らかな天の使い。
言ってることとやってることが違うんですけど?
「混血悪魔はたくさんいるけど・・・・オレだけ白いんだよね・・・・」
「何でリクだけ白いの?」
「・・・・母親が大天使だから、だと思う」
大天使っつうと、ミカエルとかそういうやつ?
マンガだか小説だかで読んだ聞きかじりの知識を探して、天使について脳内の引き出しをあさってみたけれど、大した情報は入っていなかった。
「名前はガブリエルだけど、まああんまり会う機会もないし、ミカエルでもいいよ」
いや、どっちでもいいんならガブリエルでいこうよ。
「とにかく、母親の力の方が父親よりも強いから、それが外見にも出てるんだと思う」
「じゃあ悪魔って言うより天使なんじゃない」
あたしの結論に、リクは泣きそうな顔になった。
「オレは悪魔だッ!」
・・・・ごめん、そのセリフ、世界で一番似合わない。
*善隣友好:身近なヒトと仲良くすること
↓りっくん、ワルぶりたい年頃なのか・・・・何歳なのかな(未設定)↓