ヨーロッパの弁理士から日本に特許出願する仕事をいただくことがあるのですが、中間手続きで困るときがあります。

中間手続きは、既存技術と似たようなものだから特許にはできない、などの審査官の見解に対して、違いを主張したりします。この時、権利範囲を決める請求項の内容を補正するのが一般的です。補正で、違いを明らかにするわけです。

ヨーロッパからの仕事の場合、ヨーロッパの弁理士の指示を受けて、補正や主張を行うのですが、ヨーロッパの弁理士は、請求項を補正したがりません。

ヨーロッパでは、請求項を補正すると、新規事項の追加だとして拒絶されることが多いため、ヨーロッパの弁理士は、できるだけ補正しないで対応しようとするからです。

ちなみに、新規事項の追加は、特許出願に最初から書いていなかった内容を後出し的に追加することを言います。ヨーロッパでは、新規事項の追加に関して日本よりも非常に厳しいんですね。

で、何が困るかというと、請求項を補正しないと、既存技術との違いを出すのが厳しい時があるんです。しかも、補正をしないで主張が認められないと、拒絶査定になってしまいます。拒絶査定になると、審判というものを請求しないと、違いを主張できなくなります。

実は、今日も、補正をしないで対応するようにヨーロッパの弁理士から指示を受けまして、非常に悩まされました。ヨーロッパの弁理士に理由と共に補正案を提示しても良いのですが、それでも何で補正する必要があるのかわからないと言われたりします。へこみます。

今回は、一応、補正せずに主張するロジックが構築できたので一安心です。