初めてウイニングチケットに会った、そして谷川牧場さん | 蒼穹アーカイヴ

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おかげさまでなんとか穏やかに生きてます。
相変わらずの遅れ更新中。
終わったらDQXに戻りたいけどー。

勿論彼にだけ、ではなかったけども。
でも結果的にちょっとした括りにはなったのが今にしてみると面白かったかも。

さて続いてのTroカテゴリとなった訳だけれど。
先の日高育成牧場見学ツアーを終えて、そこで朝食時に気がついたものがあって暫しそこで写真撮ってた訳なのだけど。
AERUのエントランスの一角に展示してあったのは、第60代ダービー馬にしてシバタマサトさんにダービーを取らせた馬・ウイニングチケットのダービー時のゼッケン、馬着、そして優勝レイ。昨日のナイスネイチャの優勝レイも見せていただいて嬉しかったけどもウイニングチケット、チケ坊のしかもダービーのものとなるとまた感慨もひとしおである。あまりにとっくりと見過ぎてうっかりC/O時間を踏み倒しかけるほどで(笑) まぁ部屋に戻ればもう出るばかりにしてあったので、ツアー参加時の手荷物を旅装に改めて詰め直せばそれで終わりであり無事に時間内にAERUをC/Oできたのだけど。お世話になりました、総じてよかったけど夕食摂る際だけはちと気をつけなきゃないかしら、など(苦笑)

でもって早速AERUを後にした……かというとそうではなかった。
未だAERUの敷地内ながらちと到達までに場所やそこに至るまでの車道や駐車場などで時間喰ったけど<ちゃんと部屋の宿泊約款ファイルにも紹介があったので、結局ちゃんと読んでないこの人が悪いんである どうにかちゃんと然るべき駐車場に車停めて、体験乗馬の人や馬も歩く小道を暫く行くと少し高台に広い放牧場がいくつかあった。傍らの看板にはここに放牧されている馬が写真と共に紹介されていたが、そこにちょうどよくここにお勤めの方が通ったので念の為確認してから最寄りの放牧地へと向かう。そう、こちらに放牧されているのが彼ウイニングチケットことチケ坊だった。

私が最初に見たダービー馬は彼の一代後になるあの『シャドーロールの王様』ナリタブライアンだったが、当たり前だけどナリブーが勝つまで直近のダービー馬と言えば彼、チケ坊であった。それまでなかなかダービーというレースを勝てなかったシバタマサトといういぶし銀の騎手にようやくダービージョッキーの称号を与えた馬、『勝利への片道切符一枚ください』などのファンの秀逸な横断幕、新種牡馬トニービン産駒(というかグレイソヴリン系の血統が好きなのよね)、所謂『新平成三強』の中でも鹿毛でもなく芦毛でもない黒鹿毛が好き、という要素がいくつかあって競馬を始めたばかりの私にとってとても好きなお気に入りの馬だった。その後なかなか勝てなくなってしまった……そんなところまで含めてね。因みに彼が出走したものの、勝てなかった’94高松宮杯(当時G2) を久々の勝利で飾ったのが昨日会ってきたナイスネイチャである。馬券はどっちかのを買ってたと思ったけどどうだったかな。ともあれ、だから彼の弟のロイヤルタッチであるとか、彼の娘ベルグチケットやオイスターチケットなども応援したものだった。そして種牡馬生活を引退したのちはここAERUに功労馬として繋養されているということなのでやってきた……のが、AERUに来たもうひとつの理由だった訳だ。

「チケぼうー」

彼はシロツメクサ咲き誇り白くすら見える草の上でその草をはんでいた。昨日のネイチャと一緒ね(苦笑)
でもネイチャと違ったのは、私の姿を見つけるとてくてくとこっちまでやってきてくれたこと。1990年産だから今年で数え27歳だけどもまだその黒鹿毛の肌には張りがあって老いを殆ど感じさせない。ただ、目の光がとても穏やかになっていた。まぁ去勢したからというのもあるかもしれないがおとなしく、それでいてなつこくてなんてファンサービスのいい子なのか(笑) 今回は流石にただの客なので柵の中に入るとかメイワクなことなんかは勿論しないけれども、その柵の向こうからチケ坊はずっと私の相手をしてくれて。こちらとしても、ダービー馬になつこく相手してもらえるとまでは思ってなかったからまぁ嬉しいこと、今回これだけの為にも来てよかったわ(苦笑) いっぱい写真撮ったり、彼をただ眺めたりとしばし過ごした。会いたいなとずっと思ってた子に会えてしばし時間を共有できる……なんて贅沢なことだろうか。
しかし今日は今日で静内まで戻らなければならないし、まだ予定もある。もう少しゆっくりしていたかったけどもそれもかなわないのが残念(泣) でも、また来るからねーと去り際に声を掛けながら来た。チケ坊はずっと、そんな私を見送ってくれていた。また近いうちに来られたら来るから。それまで変わらず元気で居てね、チケ坊。

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チケ坊ことウイニングチケット。ほんとに穏やかで付き合いのいい子だった(苦笑)

さて、思いの外AERUに留まる時間が長くなってしまっていた。
いや、それはもう満ち足りた時間だったからそれはそれで全然構わない。けれどもこの地の者ではない私にとっては矢張り時間は有限であって、それまでにはまた静内まで戻らなければならない……そんな中で車を出して私が次に向かったのは、AERUからR236野塚国道を降りてきたその途中にある谷川牧場さんである。ここの牧場の輩出馬はなんと言ってもあの『五冠馬』シンザンとそして、チケ坊がダービーを勝った翌年にオークスを勝ったチョウカイキャロル。昨日から見掛けていた『谷川牧場本場』の看板のある交差点を右折して、両側に放牧地のある道を行く……半ばおっかなびっくり。昨日も書いたけれども牧場内というのは矢張りプライベートな場所以外の何物でもないからやっぱり、『馬のふるさと案内所』などでは訪問可能、と書いてはあったもののなんかこう不法侵入感がそこはかとなく……やがて厩舎の近くの空いたところに邪魔にならないように車を停めてみると、ちょうどそこにこれから作業、ぽいお爺さんを始めとした方々が出ていらしたので恐る恐る訊いてみると……もうそのお爺さん方もこうした来客にすっかり慣れていてシンザンのお墓はこっちだよ、これからキャロルも放牧地に出すからこの先(の放牧地の前) で待ってな、車で行った方がいいぞ、遠いからと言ってくだすったのでその通りに車を出してまた沿道の邪魔にならないところに停めて待っていると……来た来た、あの栗毛に大きく長い流星を持った馬、チョウカイキャロルだ。僚馬、恐らく同じく牝馬たちと一緒にやって来て広い放牧地に放されていた。また厩舎仕事に戻って行かれるお爺さん方にお礼を言ってから、キャロルたちを撮ってみる。入口の脇の水飲み場に放牧の際水も足されていったので、まずそっち飲んでるキャロルたち。馬は水面に口をつけて直接水を吸い上げるのだけど、そのヂューて音なんか久々に聞いたわぁ(苦笑) ほんでキャロルたちもさっきのチケ坊よろしくこうしてやってきたファンの相手とかしてくれるのかなーと見てたら、そこはやっぱ既にオバハンたちだからか私は鼻も引っ掛けられなかった(笑) まぁ女馬はこんな感じだものねー元々。繁殖上がった時点でそんじょそこらの人間の若造なんか屁でもなくなるから、それは勿論母としての強さ、もあるのだろうけど女としての不遜さ……みたいなとこも多分にあるから。うん(笑) なので私はあくまで自分のしたいようにしてる彼女たちの姿を写真に暫く収めてから、場を去った。
因みに、面白いなぁと思ったのは彼女はチケ坊がダービーを勝った翌年のオークス馬というのは先に書いたけども、彼女もまたチケ坊同様ブライアンズタイムの初年度産駒。つまり私はそれぞれトニービンの初年度産駒にして'93のダービー馬、ブライアンズタイムの初年度産駒にして'94のオークス馬に立て続けに会えたということなのだな。この辺りの現象はここから3年続いて、'93のダービー馬ウイニングチケット・オークス馬ベガはトニービン産駒、翌年’94のダービー馬ナリタブライアン・オークス馬チョウカイキャロルはブライアンズタイム、更に翌年の’95ダービー馬タヤスツヨシ・オークス馬ダンスパートナーはあのサンデーサイレンス産駒と新種牡馬の初年度産駒がダービー・オークスを共に制している。その一角に今日は会えた、ということで……
あ、今度は岩塩がりがり食べてる。うん、今日は今日で暑くなりそうだし塩分もミネラルも大事だものね(苦笑)

一方で、厩舎のすぐ傍のちょっとした小山のところに階段がつけられていて、その先がシンザンのお墓だと紹介されたのでそちらにも行ってみる。階段の上は少し平らにならされていて、その正面の奥の斜面の一角に『シンザンの碑』と共に彼は眠っているのだという。手を合わせてだけさせてもらって。ナタの切れ味、と言われたシンザン。私が競馬に出会った頃には既にレジェンドな存在だった訳だけど、一度その走りを見てみたかった……と、未だに思うのよね。
それで、厩舎作業をされていたお爺さん方に今一度お礼を言ってから元来た放牧地の間の一本道を通ってさぁそれじゃまずは静内方面に戻り始めようか……と先の交差点を右折して車をR236を沿岸道路に向け走らせ少し行ったところで……

「……あれ?」

道路に面した建物に『谷川牧場』とある。
え、ここは?とも思ったけどもそう言えばシンザンの像も確かこの辺りだったと地図で見たからここなのかな、と寄ってみた。建物は矢張り谷川牧場さんの事務所らしく、事務員さんにシンザン像のことを尋ねるとどうぞごらんください、と言っていただけたのでその裏手にあるらしいシンザン像へ。彼の像へと至る道の脇には同じく谷川牧場産のタケフブキ('72オークス)、タケホープ(タケフブキの半弟で’73ダービー・菊花賞、'74春天)、ホクトボーイ(’77秋天)、ミナガワマンナ('81菊花賞)、ミホシンザン(’85さつき賞・菊花賞、'87春天) の碑が仲良く並んでいる。この牧場でそれぞれ愛され、大事にされてきたのだろうな……と。そしてその奥に悠然として立つシンザンの銅像。在りし日の彼を写し込んだものだろうから、きっとこんな風に風格のある馬だったんだろうな……と、思う。讃を贈っているのは現役時代の彼を管理した武田文吾師で、『お前の額の星のように光り輝くことであろう』という、星に絡めて書いてこられると弱いわ……と。ベタだけど、『さらばテンポイント』とか……ねぇ。
事務所の方に戻ると、一角がオープンスペースになっていて写真を撮ってもいいとのことだったので何枚か撮らせていただいて。手書きの競走成績表とか、切手の原板を拡大したものとか、現役・引退後の写真だとか、ここを訪れた競馬関係の著名人のサイン色紙(勿論サインなので殆ど誰のだか分かんない笑) とかがたくさん飾られている。今でも私のように、訪れるファンは多いということなのだろうね。

「……ってーか……」

そしてここまで来てなんか腑に落ちないところがあったのだけど、ここで突然氷解した。
実はさっき本場を訪問した際のお爺さんは最初少し不思議そうにしていらしたのだよな。それがどうにも引っかかってたのだけど

「……もしかして訪問の際って先にこっちに来てお伺い立てるべき……だったのかしら?」

私はAERU方面からという山手から降りて来たので先に本場がありそっちに行ってしまったけども、普通に静内方面から来たなら沿岸の国道を曲がって本場より先にこちらの事務所の方を見つけて、訪問の許可を取るのではないか?と。それなら自分だって昨日この辺り通ってるし……と、思ったけども考えてみたら先に様似駅方面に行ってから戻ってきて、このR236に至る前にカーナビに依り少し手前で先に曲がってしまってショートカットして来た形になるので実際のところこの谷川牧場さんの事務所のあるR236を通るのは初めて……と、いうことになる。
そういったのをあれこれ考えながらも、今一度『競走馬のふるさと案内所』でいただいた資料を見てみたら

必ず事務所に立ち寄り、見学の許可と放牧地の確認をしてください』
『シンザン馬像のお参り可能(墓参はできません)

や、やっちまった……
許可取る前に直接行って、あまつさえシンザンのお墓まで……


すみません。本当すみません。次回以降はちゃんと注意事項きちんと読んでちゃんと守ります……(泣)


手持ちの残り時間の少なかったのがこういったミスを生んだのか。
しかしそれはあくまで私の都合であり言い訳でしかなくて、谷川牧場さんにとっては預かり知らぬこと。きちんと手順を踏んだ上でなら、とファンの訪問にも対応くだすっているのにこういったことをしでかしたら、いずれ受け入れていただけなくなることもあるかもしれない。本当にすみません~~(泣) と、去ることとなった。まぁ何かしでかしたでもないし私は私で細心の注意を払って見学していたから……あぁ、やっぱ言い訳にしかならないな。ごめんなさい、反省しています……

なんともみっともないザマの中もうお昼前になろうとしていて、私の浦河路を巡る時間もタイムアップとなった。
本当は静内に戻ってからもあれやこれやと考えてはいたのだけれど、何処にも時間が足りなかったという結果に。いや、矢張り馬産地は広いというのもあったし、訪れたところがいずれもそれはもう離れ難くなるという吸引力を持っていたらもう仕方ないだろう(苦笑) 元々、先に書いたように今回は日高地方訪問の慣らし運転のようなものだったからこれでいいのだ。
一方では牧場訪問に際して本当気をつけなきゃいけないことを勉強させていただいたというのもあったし(泣) そういった意味でも有意義だったと思う。車に乗り込んで、昨日の静内のレンタカー事務所の住所……ではなく今一度『競走馬のふるさと日高案内所』を目的地に選んで走り出す。ちょっと欲しい資料があったからね。沿岸道路に戻るR236を今日は西へ、到着予想時間がまた相変わらず押し気味ではあったけども今日は前にどんくさい車が多いでもなくやっぱヤーヤー走りしながら一方で沿岸の景色も楽しんで。高台の一角に赤い屋根の建物、な潰れた温泉の脇を通った都合4回目の際は悲しくなったけど(泣) まぁそんな中アクシデントなどもなくおかげで少し余裕を持って案内所へ着けたし、その後ガソリン満タンにしてレンタカー事務所に車を返すことができた。やっぱここいらは早め早めに動いておかないと、何かアクシデントがあってこの後の旅程に差し障り出たらもう帰れなくなるから(笑) 因みに今回の走行距離は255kmだって。襟裳岬へ夜討ち朝駆けに行ったの以外はさほど走った感じでもなかったような、200km台ならね。ヴィッツもお疲れさまでした。その車で昨日と逆回しのように静内駅まで送っていただいて。
と、いうことでここからはようやくいつものRyuカテゴリへと続く。

szz17