マドロミという名前の子がいました。


彼女はとても眠る事が好きな女の子です。


瞼を閉じると、どこからともなく霧のように進入してくる睡魔が彼女を別の世界に連れて行ってしまいます。


その世界で彼女は主人公でありながら、どこか映画を見ている観客のような主体性の無さが入り混じった、不思議な感覚に包まれてしまいます。


眠るたびに話の内容が変化をするのですが、いつも話の内容、特にエンディング部分を逃してしまいます。


毎回夢から現実世界へと引き戻されると、何事もなく時間が過ぎていく。

この繰り返しです。


マドロミは思います。

「ああ、この世界は現実なのだろうか?それとも夢なのだろうか?」


そんなマドロミには友達がいます。ムゲンちゃんという女の子です。

ムゲンちゃんとは、ネットで知り合いました。

ムゲンちゃんは不治の病気に侵されていて、余命三年と宣告されているという話を聞かされていました。


マドロミはチャットでムゲンちゃんに聞いてみました。

「ムゲンちゃんさー、この世界は夢なのではないだろうか?なんかリアルな感じがしないのだが。」


ムゲンちゃんはとても物知りな女の子のようで、質問に対していつも的確な回答をしてくれます。

「それは多分、うつなんじゃないだろうか?」


次の日、マドロミは心療内科に行って、抗うつ剤を処方してもらいました。