$にゃん子さんのブログ
高知新聞夕刊
太田隆文監督の「朝日のあたる家」が
やっと公開。

「二度と商業映画が撮れなくなるからやめろ」
とまで言われても諦めなかったのは
「原発反対を訴える映画ではない。賛否以前に福島の現実を追体験してもらいたいと制作した。再稼働の前に原発に関心のない人にこそ、現在起きている事実を知って欲しい」




朝日のあたる家」太田隆文監督山本太郎を語る .




映画「朝日のあたる家」 舞台挨拶 in 湖西市 .



太田監督からのメッセージ


福島第一原発事故。多くのマスコミは被害の深刻さを未だ十分に報道していない。そして政府は「事故収束」を宣言。だが、私が訪れたウクライナの国立放射線医学研究所のドクターたちはこう言った。

「チェルノブイリ事故のあと、放射能によって多くの子供たちが病気になり死んで行った。福島も同じことになる・・」

調べるほどに、被害はこれからも広がるとを感じる。なのに、日本人の多くは「遠く離れた福島での災害。自分とは関係ない・・」と捉えている。
このままでいいのか? 映画監督として何か出来ることはないか? 考え続けて結論を出した。

「映画で原発事故を描こう! 福島の悲しみを見つめる物語を作り、大切なことを伝えよう」
その製作費を集めるべく映画に出資する会社を訪問。だが、どこも同じ答えだった。「原発に関する映画には、出資できない!」映画会社、テレビ局、ビデオメーカー。多くの企業。いずれも同じ返事。僕だけでなく業界通の友人も駆け回ってくれたが、同じ結果だった。

ある担当者がこっそり教えてくれる。「原発はいろいろと問題があるんだよ。そんな映画に出資したら・・」さらに業界の友人からも注意された。

「原発事故の映画なんて止めた方がいい。二度と映画監督の仕事ができなくなるぞ・・」
なぜ、大切なことから目を背けようとするのか! 今も福島の悲劇は続いている。故郷に帰れない人が数多くいる。子供たちの健康問題もこれからだ。それら事実を皆で考えることで、悲劇を止め、繰り返さずに済むはずだ。やはり、映画を作ろう!


いろんな方に相談。考え抜いて、一般の方々から寄付を募ることにした。寄付目標は1000万円(企業映画の製作費は1億円以上)。映画を作るには十分な額ではないが、何とかなる。賛同してくれるスタッフもいる。1人1万円の寄付なら、千人の支援があれば目標達成。小さな映画を作ることができる。

タイトルは「朝日のあたる家」ロケ地は静岡県湖西市。原発から60キロの距離にある町。そこを舞台に福島の悲しみを共有できる映画を作る。そして日本人にとって本当に大切なものとは何かを描く。

「朝日のあたる家」監督 太田隆文