白・面無・廻神はわかれて戦うことにした。白の相手となるのはリーダーであろう長髪の青年であった。


「お久しぶりですね・・・雷堂 白さん・・・・!」


「僕は貴方なんてしらないよ・・・。」


 青年はニヤリとした笑顔を作り上げる。憂いを含んだその笑みを、白は覚えている。しかし、そんなはずはない。何故なら彼は・・・彼は・・・。


「そうですよ、貴方の思っているとおり、私が真田 幸村です!」


「僕の知ってる幸村さんはもっとおじさんだけどな・・・・。」


「ふははははっ、どうしてですか!?どうして貴方は忍の世界に身を置きながらも我々と同じ物差しで物事を測ろうとするのですか?単純です、こういうことなんですよ!」


 次の瞬間、幸村の顔の右半分が崩れ落ち、異形が現れる。それは十数年前のあの時以来の戦慄であった。


「え・・・・?それは・・・?何で貴方が・・・?」


「十蔵のおかげですよ・・・!さぁ・・・・時間も無くなってきたのでそろそろ行きましょうか・・・!!」







 天守の扉が開いた。開けたのはただの一般兵であった。


「何者だ・・・?」


 顔を布で隠した猿飛 佐助が兵士に問いかける。


『忘れたか?こういう忍もいるという事を・・・。』


 ポチャン・・・・水滴が落ちるような音がする。それに伴って兵士が苦しそうにもがき始める。すると彼の影から白い腕が現れ、床をつかんで体を引き上げた。


「服部・・・半蔵・・・!」


「猿飛・・・。一体誰が中身なのかはしらんが・・・・・。千姫は返してもらうぞ。」


 半蔵の影は彼の背中にまで移動し、漆黒の翼に変化する。半蔵が大きく羽ばたいた瞬間、無数の苦無が佐助を襲う。佐助は苦無をよけると、一瞬で距離をつめ、半蔵の腹に蹴りを食らわす。しかしその半蔵は黒く変化し、闇に溶けた。


「どうだ・・・?これがかの有名な『影分身』だ。この私に対して顔を覆ったまま戦う余力など無いんじゃないのか?」


 ヒュッと音が鳴り、半蔵の肩口から鮮血が飛ぶ。一瞬の出来事に半蔵は眼を見開く。


「かまいたち・・?やはり・・・・お前は・・・!?」


 半蔵の問いかけを無視し、佐助は再び臨戦態勢に入った。