「だから・・・・宿の修理費は徳川殿に申せばよいと言っているだろうが!」


「どこの徳川さん!?将軍家と同じ名を持つなんてご光栄なこってねえ!」


 宿屋の主人は一向に信じようとしない、風雅は仕方が無いといわんばかりに懐より徳川家の家紋の入った書状を見せる。うやうやしく宿屋の主人は頭を下げ、態度は一変した。


「それで・・・・・お侍さん・・・・部屋にこんな手紙が・・・。」


 宿屋の主人から手渡された手紙には豊臣の家紋が描かれていた。その書面の内容はこうであった。

「要するに・・・今日で決める・・・・と。」


 風雅は黙ってその場を去る。その顔には覚悟が表れていた。





「ごんたは・・・なんでたたかうのじゃ・・・?」


「へっ!無粋な事ききやがるなっ、姫様!んなもん、忍だからだよ!」


「しのびは・・・・たたかわなければならないのか・・・?たたかえば・・・しんでしまうのだぞ・・・?」


「姫様よっ、今はこんだけしかいねーけどよ、鏑木一党はもっともっといたんだ・・・みんなみんな死んじまった・・・。だからよっ、俺らは戦うんだ・・。戦って、戦って、死ぬときは、胸張って、前見て死ぬんだ。俺等忍はそんな不器用な生き方しか出来ないし、そもそも、俺らは死に方なんて選べない。だから、出来るだけ戦って死にたいんだ。」


 千姫には権太の言った意味を理解していなかった。そして、それと同じような言葉を吐いて、強大な敵に向かっていった忍がいた事も・・・。




「ほぅ・・・次は童か・・・。」


「・・・・貴方は・・・強いんでしょ・・・?」


 そういうや否や、大阪城の城門前で乃亜が風雅に襲い掛かる。乃亜の水の剣に対し風雅も抜刀する。一閃、二閃、三閃と有名な剣豪がみても簡単の声を漏らすであろう美しく軽やかな剣捌きで一進一退の攻防を繰り広げる。


「なかなかだな・・・・。その若さで刃心の力を持っているのも感心だな。あれが枯れたのは10年前ほどだろ・・・?そのころの年齢であれの副作用に耐え切れたのか?」


「いやっ・・・・僕が飲んだのは5年前だよ・・・。」


「何・・!?そんな訳がある訳ない・・・!」


「んー・・・・教えてほしい・・・?もっと・・・・僕を楽しませてくれたら・・・・教えてあげる・・・。」