時は遡る事一週間、七人の忍者は大阪城へ向かうためにその城下町を歩いていた。


「お姫様を守るっつーのは、ガラじゃねーな・・・・。」


 七人の甲賀抜け忍の頭である鏑木 権太(かぶらぎ ごんた)は豪快に欠伸をしながら体を伸ばす。七年前に他六人を率いて里を出た先代佐助の一番弟子である。


「金が無いんじゃどうしようも無いじゃないか・・・・。」


「そうそう、だいたいゴンタが無駄遣いするからでしょ!乃亜もそう思うでしょ?」


 七人の頭脳ともいえる御厨 獄(みくりや ごく)が持ち前の笑顔で権太をいさめる。そして町娘のような格好をした佳乃が弟の乃亜に同意を求める。乃亜は黙って頭を縦に振った。それを横から遊女風の女である白鷺が気だるそうに声を発する。


「まったく・・・。本当にアンタは愛想無いわねぇ・・・・向こうのお面もそうだけど・・・・。」


「これこれ、白鷺、乃亜と摩狐をからかうでない・・・・。」


 よこから白鷺を注意したのは丸爺とよばれる老人で、本名は仲間の誰も聞いたことが無い。そして白鷺が悪口を放ったもう一人の相手が摩狐(まこ)である。彼は狐の面で顔を隠しており、表情を読み取ることが出来ない。


「おぉっ!?面白そうな奴らがいるなっ!」


 権太は道の向こう側からやって来る十人ほどの侍の集団を見つけるや否や、彼らに向かって走り、体当たりを食らわす。それを受けた侍達は激昂し、腰のものを抜き放ち、白刃をひらめかせる。


「うぬらっ!何者よ!?我らを武家と知っての狼藉か?」


「知ってたらどうするよ、へっぽこ侍さんよ!」


 権太が挑発するや否や、侍の一人は彼を一刀のもとに切り伏せようとするが、それは叶わなかった。振りかざしたはずの刀は腕もろとも弾ける。それに怯える侍を横目に見ながら権太は笑う。肩、腰、足、首とその侍の体は次々と弾け飛んだ。


「下卑た男達ねぇ・・・・。」


「ほほっ、元気なのは良いことじゃよ!ただ、吠える相手を間違えたな・・・・。」


 白鷺が侍の耳元で何かを呟くと、彼は嘔吐し、痙攣しながら息を引き取った。その様子に呆気に取られている侍達の前に丸爺が現れ、袖から覗く神の包帯が意思を持ったかのように動いた後、鉄のように硬質化して侍を刺し貫く。それに続くように乃亜が水の刀で侍達を一刀両断にし、摩狐がその仮面をずらし、美しい口元より凄まじい豪炎を放つ。


 彼らが去った後には、炭クズになった肉塊だけが転がっていた。そして彼らは大阪城へ進む。