藤林と廻神は思わぬ足止めを食っていた。風魔五鬼の一である『煙鬼』であった。あちらの攻撃もきかなければ、こっちの攻撃もきかないという厄介な相手である。文字通り煙であるので、掴む事も出来ない、射る事も出来ないとなると、まったくお手上げである。
「ぬぅ・・・甲賀の・・・・彼奴の動きを止めれるか・・・?」
「ほぉ・・・ご老体・・・策でもあるか・・・?」
藤林は年だからやりたくもないと愚痴を零すが、それを無視して廻神は光となって煙鬼の下へ向かう。
「煙を捕まえる事なんて出来るわけないだろうが!!」
「案外・・・・そうでもないんですよ・・・・袋小路に連れ込めば・・・ね・・?」
光は煙鬼の周りをひたすら回る。回りながらも光を放つ。するとどうか、何層もある光の玉が煙鬼を捕まえる。そして彼は人の姿になって剛蘭の隣に戻る。
「ご老体・・・貴方の番ですよ・・。」
「甲賀の・・・・腰を抜かすなよ。」
剛蘭は凄まじい重力磁場を作り上げる。そしてその空間にポッカリと穴が開く。現代で言うブラックホールである。それが煙鬼を光の玉ごと吸い込んでいく。
「ほれっ、いくぞ・・・甲賀の・・。」
「お見事でした・・・ご老体・・・。」
一方、俺達二人が合流したにもかかわらず、風魔小太郎には勝てていなかった。彼の体は全身鉄で出来ている様子で、風を纏った拳の破壊力は凄まじいものである。
「白・・・・・攻略法・・・ある・・・?」
「んー・・・・。ないかも・・・。樹君は・・・?」
そのような事を言っていると、その場に一陣の風が吹く。そして難攻不落の小太郎が吹き飛ぶ。
「おいっ!遅刻だぞ・・・馬鹿!いつまで寝てんだよ・・・。」
「・・・・・・」
「シカトかよ!」
俺も、綾乃も、白も笑顔に戻る。ついに、風雅が帰ってきたのだ。