『水と炎の龍が来た~喧嘩せや~、喧嘩せや~。愛しき人を憂う目や~儚しや~。ほのおは猿を愛しと思い、み~ずは蜻蛉を愛しと思い~。』


 右月と左月は歌いだす。そして、その歌が終わると、そこに立って居たのは先代猿飛佐助と陽炎であった。すると佐助は姿を消し、陽炎はこちらに向かってくる。陽炎の一撃を避けた俺は燐に忠告をする。


「迷い無くきれ!所詮変化だ・・・!」


「甘いわ・・・樹。」


 そう言ったのは陽炎であった。彼女は炎の剣を作り出す。俺は氷雨を抜き、ぎりぎりで陽炎の一撃をいなす。一方燐は佐助の一撃を喰らい、後方へ吹き飛ぶ。俺はそこへ飛び込み、クッションの役割をはたす。


「この忍法はなぁ・・・・死んだ人間の霊魂を降ろしてその力を得るってものなのさ・・・。わかったかい、水龍の旦那?」


 俺は絶望した。陽炎は何度も何度もその姿を俺の前に現す。まるで亡霊のように。その現実をひしと受け止め、再び俺は構えた。




 一方、白と綾乃は鬼屍を追い詰めてた。あれから百七回彼を殺したのだ。


「ひっ・・・・ひぃいい!何で・・・?何でこんなっ・・・・?」


「僕達と貴方では覚悟が違う・・・。命の重みもね・・・・。僕達は『彼』が戻って来るまで・・・・絶対に死ねないだ・・・・。」


 そういって白は砂鉄の刃で彼の心臓を貫き、綾乃を連れて奥の間へ行くのであった。




伊賀・甲賀連合対風魔党率いる敵対忍軍。伊賀・甲賀が優勢の戦乱の中、一陣の風が吹いた。