天海は自分の顔の右半分の異形な部分を親指で指し示す。これあ『魔王』だとでもいいたいのであろう。たしかにそこからは禍々しい殺気が放たれている。


「見事であった。信長は自身から実験台となる事を申し出た。そして彼は絶大な力を手に入れた。それは私にとっても恐怖となるものであった。そして起こったのが『本能寺の変』やっとの思いで魔王を倒したものの、私は深手を負った。それ故に魔王と共に『転生』したのだよ・・・。」


「転生・・・だと・・・?」


 俺の反応を愉しむかのように天海は笑みを漏らす。


「さて・・・・私の名前は・・・・うぬの時代では広まっているのか知らんが・・・・自己紹介しておこう・・。私は・・・・大陰陽師『安倍晴明』と申す・・・以後お見知りおきを・・・水龍。あぁ・・・残念だが・・・そろそろ時間だ・・・・・ぬしもここで帰らねば戦に遅れるぞ・・・?」


 そう言って悠々と晴明はその場を後にした。半蔵の居場所を調べることは出来なかったが、彼が幕府を牛耳っているという事実をまず藤林に伝えねばならなかった。


 伊賀に帰ると里はもぬけの殻であった。俺は甲賀の里との境界にある森に囲まれた原地にむかった。そこには甲賀・伊賀の忍が戦いの始まりを今か今かと待ち望んでいた。俺は藤林に江戸で起こった事を伝える。しかさいその瞬間に甲賀方の陣太鼓がなり、戦が始まった。


「遅かった・・・か。」


 そういうと藤林は敵軍がひしめく付近の上空まで一飛びで移動する。そして彼が拳を振るった瞬間、多くの甲賀忍者が押しつぶされた。


 その瞬間、甲賀方の一番奥より閃光が放たれる。それは藤林にあたり、彼は一瞬空中でよろめく。


「相変わらずじゃのお、廻神め・・・・。」


 その光を放ったのは甲賀の党首、廻神 奏であった。