一方、白は東の方向へ筧を探しに歩みをすすめる。彼は怒りゆえに力の制御が出来ておらず体より所々放電している。すると斜め後ろの方より銃弾が飛んでくる。


 心臓を打ち抜かれるのを避けたものの、肩を打ちぬかれて痛みのあまり顔をしかめる。銃声の方向を向くものの、気配を感じ取れない。すると白は十蔵に語りかける。


「貴方が・・・十蔵さんですよね・・・?風雅をやったのは・・貴方ですよね・・・・?」


 白が語りかけた先から返事はこない。


「銃で・・・・いろんな術を使えるってうわさですけど・・・本当ですか・・・・?」


 白は笑顔でケラケラと笑いながら姿の見えぬ十蔵を挑発する。


「まぁ・・・・あたらなければ意味ないですけどね♪」


 茂みの奥で、十蔵は歯軋りをする。


「餓鬼が・・・・調子に乗りよって・・・・。伊賀の女のようにしてやらぁ・・・・。」


 茂みの違う方向より、再び玉が放たれる。白はすんでのところでそれをよけるものの、腕にかすり傷を負う。するとその傷口から巨大な植物の根が生えてくる。綾乃のそれから見れば子供のようなものの、十二分に強力なものであった。


「樹弾・縛戒!」


 木の根が白に襲い掛かる。それを白は自分に纏った電気で焼き払う。


「掠ってもこんなに凄いの・・・?さっすが『ジューユーシ』だね♪」


 更なる挑発に十蔵は奥義を繰り出す。


「炎弾・紅翼の死鳥!」


 十蔵が繰り出した鉄砲玉は巨大な炎の鳥となり、白に襲い掛かる。白は大きく深呼吸し、首飾りに手をかける。


「甚八さん、雷龍・・・・僕に力を。」


 彼は首飾りを握り、ありったけの力をこめる。黒い粒子は巨大な楯となり、炎の鳥を防ぎきる。十蔵は狼狽してその場から駆け出す。


「想像以上のばけモンだ!・・・・猿と合流して・・・・ックソ!」


 白は笑顔で姿の見えない十蔵に語りかける。


「無駄・・・だよ!僕は貴方を許さない・・・。それにね・・・・所詮貴方は籠の中の鳥なんだよ・・・!」