胸を貫かれた甚八は、敗北を悟ったかのように纏った黒い粒子を解き、仰向けに寝転ぶ。


「ありがとう・・・。」


 意外な言葉に俺と白は顔を見合わせる。


「久しく忘れていた・・・・。戦う目的を・・・・。守りたかったんだ・・・。」


 白は彼女が的であることを忘れ、駆け寄り、手を取る。


「火の・・・龍に・・・会いし時は・・・甚八は・・・気高く散ったと・・・伝え・・・。」


「わかったよ・・・。」


 白の目からは涙が一筋流れ落ちる。そして甚八は左腕を胸元に突っ込んだ後、ペンダント状の何かを取り出して白に渡す。


「雷の・・・刀・・・。私の・・・生きた・・・・証・・・。」


 そういって甚八は力尽きた。彼女は一体最後に何を伝えたかったのであろうか。




 一方、上空から敵を探す風雅に、何者かの攻撃が襲いかかる。


「探したぜ・・・・。」


 左手から生えた大剣を軽々とふるのは十勇士最強の猿飛佐助であった。


「正直・・・お前じゃ役不足だ・・・伊賀の風神さんよ・・。」


 すると激昂した風雅は風を切り裂いて佐助との距離を詰め、連撃を浴びせる。佐助に反撃の間を与える事無く風雅は次の攻撃に移り、カマイタチを放つ。佐助は左手に固定された剣でそれを防ぐものの、その凄まじき勢いに押され上空から地面に叩きつけられる。


「その程度か・・・猿飛さんよ?」


 そういう風雅に銃弾のように圧縮された風が襲いかかる。そのほとんどを避けたものの、ひとつが彼の肩を貫く。そして下の方から浮きあがってきた佐助の右腕には左手に固定されていた剣が握られていた。そして左手には筒状のものが固定されている、おそらくそこから先程の銃弾のような風が放たれたのだろう。


「ケッ、やりやがる・・。」


 不敵に笑って見せた風雅の額には冷汗が流れていた。


【3対5】