ついに始まった伊賀対甲賀の忍法合戦。十四の影は動く、留まる、己が赴くままに行動した。影の内の二つは風を切り裂き動き回った、獲物を探して。
影の内の一つ、伊賀の風神と称される御手洗 風雅は一つの影を捉える。彼は手裏剣を影に放つものの、すんでのところで影は手裏剣から逃れた。
「お前は・・・・・確か・・・・。」
「由利 鎌ノ助だ。」
風雅の問いかけにその影、由利鎌ノ助は答える。
「覚えておくぜ・・・。」
次の瞬間、風雅は一瞬にて間合いを詰めるものの、どこから現れたかわからぬ鎌の一閃にて風雅は後ろに飛び退いた。鎌ノ介が次に鎌の柄の部分に手をかざすと、それは鎖と変わり彼の手より風雅に襲いかかる。
本来、鎖鎌の鎌というものは、遠距離用の分銅を避けられたときの近距離戦闘手段または、相手の動きを封じた時の留めとされているのだが、鎌ノ介はその鎌自体を投げつけてきた。
「っぶねぇ!」
風雅は持ち前の身軽さにて鎌をよける。一方鎌は生き物であるかのように風雅に食らいつこうとする。
「そろそろ、俺の番・・・・・。」
風雅の声は途中で途切れる。背中に走る激痛。そこから生える鎌を見たとき、彼は全てを理解する事が出来なかった。何故なら彼は迫りくる鎌を避け、実際にその鎌は再び自分めがけて襲いかかってくるのだから。
その頃、もう一つの風も獲物を見つけた所であった。二年前との違い、それはかの戦いにて水龍に奪われた左手首、今現在それは刃と変わっていた。そして彼の見つけた巨大な獲物は彼に気付き、その巨大な腕を振り下ろした。
「手荒い歓迎だねぇ・・・。」
佐助はその腕をひらりと避けて巨大な影に蹴りを放った。しかし、その蹴りはあっけなく掴まれ地面にたたきつけられる。
「岩代入道、参る。」
ムクリと立ち上がった佐助は不敵な笑みを見せ、こう言い放つ。
「見せてやるよ・・・俺の剣技を・・・。」
二つ風が沈黙を破った後、遅れて天狗は獲物を見つける。全身に鉄の鎧を纏った女は静かに上空の天狗を見据える。
「降りて来たらどうだい?轟隼人。私が相手してやるからさ。」
根津甚八は轟隼人を挑発する。隼人はそれに従い自慢の翼をはばたかせて地上へ降り立つ。そして甚八のに向って勢いを利用した錫丈の一撃を見舞う。
「あらあら、せっかちなんだねぇ・・・。」
甚八の纏っていた鎧の一部が粒子状になって大気へと溶けてゆく。そして隼人の一撃が入る瞬間に粒子は固まり槌状に変化する。あたりに鈍い音が響き渡る。
そして次の瞬間、隼人の体に電流が走る。驚愕する彼に対しては甚八は妖艶な笑みをみせてこう呟く。
「どう・・・・怒槌の味は・・・?」
【7対7】