任務を告げられてすぐに俺達は里を出た。関ヶ原には一日かけてやってきたものの、合戦にはまだ少し早かったようだ。関ヶ原についた後、隊列から外れて関ヶ原にある小さな茶屋へいっていた。そこには一人の男が座って茶を啜っていた。175センチほどの身長、硬そうな長髪が所々撥ねていた。その男が座っている席とは別の席に俺は座った。


 「おばちゃん!団子と茶!餡子入ってないやつね!」と声をかける。すると奥のほうから老婆の声が聞こえる。「はいよ!」一分と待たぬうちに老婆は茶と団子を俺の前へ持ってきた。「代金!ちょっと多めだけど取っといてね!」そういって俺は老婆に現金を渡す。


 「おいっ!兄ちゃん、華奢な体して太っ腹だねぇ!こんな所に一体何のようだい?」先程の男が茶と団子を持って俺の席の隣へと移動する。俺は答えるわけにもいかず「あんたは・・・?」と無愛想に返す。男は頭をかきむしり「あらっ?悪い!俺か?俺は・・・そーだな。『サル』だ!そう呼ばれてる!ここには戦見物を来た!」


 「俺の名は・・和田樹。俺もあんたと同じ『もの好き』さ。んまぁ、結果はわかっているがな。」そう答えると男は笑顔で質問してくる。「して、どっちが勝つと思われるか?布陣では西軍が圧倒っちゅっ噂だがなぁ・・。」その言に対して俺は「悪いが、家康公のことだ、負け戦はしない。内通者などがごろごろ出てくるだろう。」


 そしてサルという男が「じゃ、樹殿、そろそろわしは帰ります。仲間が痺れを切らしてそうで・・・。じゃ、また逢いましょう!」そう言った瞬間。「おいこら樹!!何さぼってんだぁ!」遠くのほうから犬千代の叫び声が聞こえる。「じゃ、俺もそろそろ・・・・。」続けようとした瞬間俺は驚愕した。「い・・・・いない。」あたりを見回してもその男の影すら見えない。


 「サル・・・・か。」