ある朝、俺は藤林の使い突然の来訪にて目覚めることとなる。「樹様!長がお呼びであります!急ぎ支度を!」そう言われた俺は急いで着物を纏い、おりんに「いってくる」そう短く声をかけ家を出ることとなる。
藤林の屋敷には十名ほど見慣れた顔が並んでいた。陽炎、犬千代、花、風雅、白、綾乃、瑪瑙、泥壁、蛙屋、倉内、にあと二人は見知らぬ男と女がいた。藤林はいつもより荘厳な雰囲気をかもし出し、重い口を開く「お主らを呼んだのは他でもない。関ヶ原にて天下分け目の合戦が行われるのじゃ!もちろん、『奴ら』甲賀忍軍も出てくるであろう。」
藤林は続ける。「そしてじゃ、まず、風雅、白、綾乃、瑪瑙の四人はこの里にておそらくこの機に乗じて襲ってくるであろう甲賀に対しての先鋒となってもらう。そして、泥壁を中心として蛙屋、倉内、瀬川、おしげの班は大名・小早川秀秋の抹殺である。」
「なっ!?」俺は驚愕した。現代社会においてももっとも有名な合戦である『関ヶ原の戦い』にて、小早川秀秋の寝返りは周知の事実。その真実はただの寝返りにあらず、返信能力を有する『泥壁』を主とした家康直属の伊賀忍軍の策略であるということを知って。
俺の反応を無視して藤林は続ける「陽炎率いる、樹、犬千代、花の隊は先の泥壁隊を護衛すること!以上だ。各自任務に移れ!」
そういって俺達の関ヶ原が始まろうとしている。壮絶な戦いが始まる。かつてないほどの。