俺は藤林の屋敷へとやってきた。屋敷に入ると藤林は各国から寄せられた依頼書を呼んでいるところであった。「長老、失礼します。」そう俺が挨拶をすると藤林はにこやかにこう返す「もうそろそろやってくる頃だと思っていたよ、樹殿。」俺は戸惑いながらも自分の意思を告げることにする「長老、自分の力を・・・試したいです。」


 その一方、犬千代は花とともにある人物の元へ訪れた。「本当に・・・私もいいの・・?」と不安げに聞く花。「いいぜ、お前には、一緒に聞いててもらいたい・・・俺の過去を・・・。」犬千代の声は多少引き攣っていた。彼の過去に何があったのか、不安になるのは不思議ではない。


 「ごめんね、遅れたわ。」そう言って二人のもとに現れたのは京香であった。「犬千代、今一度聞くわ、覚悟はいいのね?」そう京香に問われた犬千代は「もちろん・・・だ。」と言って強い視線を投げ返す。京香は次に花を見つめる。「貴方も・・・覚悟は出来てるの・・・?あの子の過去を・・・人一人の過去を知る重み・・・解る?」花はただ京香を見つめてコクリと頷く。


 京香の口が開かれる。「犬千代、あんたは大野家の子供じゃ・・・ないんだ・・・。」