綾乃と白が激闘を演じていたころ、俺の矢は風雅の肩へ深々と刺さっていた。「ぐぬっ!」風雅は無理やり矢を引っこ抜いて、空中の俺の場所まで一瞬にして迫る。「双風裂掌・・・。」そう小さく言い放つ。それに合わせて俺は「贖罪の山羊!」といい、風雅が狙っているであろう腹部へ泡の盾を作り上げる。


 しかし、双風裂掌の力の前では泡の盾など相手にならず、一瞬にしてはがされる。そして腹部へ重い一撃をくらった俺は地面にはじき落とされた。風雅はすかさずかまいたちで追撃を試みる。俺は一瞬で氷雨を作り上げ、かまいたちと同じ角度で剣を振り、相殺した。


 その様子を見ていた白は、綾乃に対して「風雅・・・・とっても楽しそうだね♪」そういう白に対いて綾乃は「なんで・・・?なんで白は・・・あいつのことが・・・・そんなに大切なの?」


 「今の僕がいるのは風雅のお陰・・・・。僕は・・・捨て子だった・・・。しかも刃心で雷の・・・力を手に入れちゃったんだから・・・。小さい頃から、呪いの子って言われて・・・。でもね・・・でもね・・・。その当時から・・・みんなの・・・みんなの憧れだった風雅が・・・僕に話しかけて・・・くれたんだ・・・・。いきなり・・・『俺と戦え』って・・。風雅らしいね・・。それで・・・僕ね・・・初めて風雅に認められたんだ・・。初めてだよ・・?風雅が・・・風雅が・・・僕の・・・僕の居場所なんだ・・・。」


 話している間にも俺と風雅の攻防は続いていた。先ほどの双風裂掌を喰らった俺は限界が近づいていた。足に力が入らず体勢を崩された。その隙を見逃さず、風雅は「終わりだ・・。双風裂掌!」渾身の力が込められた双風裂掌が放たれる。


 「あれが出たら終わりでしょう・・。俺達でも無理じゃない・・・綾・・・・・・・。」そういう白は絶句した。


 何故なら風雅の双風裂掌が全く俺に届かなかったからである。正直その時俺も事態を把握することができなかった。ただ、無心のままかざした左手は一点の汚れもない純白に染められていた。『そこ』からは大気をも凍らす冷気が発せられていた。


 「ぐぁぁ!」そう短く叫んだ風雅の体はものすごい勢いで氷に浸食されていった。風雅に勝った。そう確信した瞬間、全身から力が抜け、その場に倒れこんだ。そして、晴れ渡る青い空に向かって俺は歓喜の雄叫びを上げるのであった。