綾乃が振り下ろした槌は木牢をバキバキと押しつぶし、風雅にも到ろうとしていた。「双風裂掌(そうふうれっしょう)!」風雅がそう叫んだ瞬間、人間の数十倍の大きさをもった槌は上下にかざされた風雅の両手を中心に回転した豪風により破壊され、ただ残ったのは風に舞う木片だけであった。
「木手裏剣、輪廻!」綾乃はそういいながら『くの字型』で80cmほどの手裏剣を六つ投げる。この技をあえて現代においての言葉に直すのであれば『ブーメラン』である。案の定風雅は手裏剣をよけ、綾乃へと近づく。次の瞬間綾乃は自分の前方より木の根を発生させ、風雅へと打ちつける。
風雅は後ろによけた、そう、『後ろ』に。先ほど放った手裏剣が風雅に襲いかかる。風雅は襲い来る手裏剣を『かまいたち』で真っ二つにして防いだが丸太のような木の根が彼の腹部を捉える。綾乃は間髪入れずに「奥義・木龍牙!」そういった瞬間、無数の木の根が絡まりあって作られた木の龍がその大きな口を広げ、風雅へ襲いかかる。
風雅は両足をしっかり踏みしめ、右手をまっすぐ、左手は少し曲げて右手より下のほうにして手を前方にかざす。そして木龍が風雅に喰らい付く瞬間に彼は右手を軸とする感じにし、左手を回転させる。その瞬間、風雅の前方に豪風が吹き荒れる。「双風裂掌おおおお!!」風雅は叫び、風を襲い来る怪物の口にねじ込んだ。
双風裂掌の強さはその形にあった。亀の甲羅のようななめらかな丘のような形をした風の塊は、最強の防御力をもった盾と化す。形状に合わせ、その風の力は絶大。流石の木龍といえども沈黙するを得なかった。舞い散る木片、大きな力を使った直後の反動立つのがやっとであった。木片の煙より風雅が現れ、綾乃は腹に一撃を食らう。
「カハッ・・・!」綾乃は気絶し、風雅が首飾りに手をかけようとした瞬間、茂みより二人を見つけた俺は風雅の顔面に一撃を喰らわせる。「ハッ、モロだぜモロ!風雅さんよ、弱くなったかい!?」俺は興奮し風雅へそのような挑発をする。「フッ・・・。まぐれだろ・・・?」風雅は珍しく笑みをみせ問いかける。「試してみろよ、お前を倒すための奥の手は腐るほどあんだよ・・・。」