岩代は再び右腕を巨大化させ俺を掴んだ・・・はずだった。しかし俺はスルリと彼の腕より脱出した。何度も・・・・何度も・・・・。俺は全身の汗腺より水を発生させ、彼の手より滑るように脱出したのであった。


 「その程度か?」俺は岩代を挑発する。彼は体術に合わせ体の一部一部を巨大化させた・・。あれの攻撃をよけるのは楽ではなかったが、決して不可能ではなかった。自分の実力に歓喜した俺は勝利を確信した。


 しかし、岩代は全身を巨大化させた。約5mにまでなった彼をどのようにして倒すか考えもつかなかった。倒されることはなくとも、倒すこともできない。先ほどの喜びは飽くまでぬか喜びだったと悔しさを噛みしめた瞬間。岩代の巨体のまわりに蛇のようなものがまとわりついた。


 『木』だ。無数の巨木が彼の体の自由を奪っていた。木を作り出した張本人の綾乃が「早く決めなよ、瑪瑙達の援護をしなくちゃならないのよ?」その声で俺は我に返り、氷で巨大な槌を作り上げる。


 足もとに水球を作り上げ、それの爆発を利用して上空へと飛びあがる。そして動きを封じられていた岩代の人中に槌を振り下ろす。


 同じころ、茂みの奥に逃げた犬千代と瑪瑙の前に現れたのは源三郎であった。「おいおい、さっきみたいにまた逃げるのは無しだぜ?」そう源三郎は冷やかす。「私がいるの・・・無視ですか?あの・・・・女だからってあまり馬鹿にしないでください・・・・。私だって、立派な忍です・・・・。」瑪瑙は静かに立ち上がり、源三郎をひたと睨みつけた。