佐久間善鬼との戦いから数ヶ月、俺は着々と任務をこなしながら力を付けていった。何故なら俺は一度だけ喫した完全敗北の悔しさに支配されていたからだ。『御手洗 風雅』その名を持つ男に再戦を誓いながら過ごしていたある日、藤林からの書状が届く。
藤林への屋敷に行くと、そこにいたのは風雅であった。「久しぶりだな、少しは強くなったか?」という風雅に対し俺は「ある程度はな・・・。」と返す。一触即発の空気の中、奥の間から藤林が現れ「おぉ、来てくれたか。おぬし等にここに来てもらったのは他でもない、戦ってもらうためじゃ。」と静かに言い放つ。風雅は少し上ずった声で「親方様、あれをなされるのですね?」というと、藤林は静かにうなずいた。
「樹、おぬしも知っての通り、我々は娯楽と言うものをほとんどしない。しかし、今からやってもらうのは我々唯一の娯楽である『忍法合戦』じゃ。おぬし等に今から巻物と首飾りを渡す。巻物には、今回出場するものたちと開始時刻が書いておる。そして、おぬし等は相手を気絶させ、その首飾りを奪うのだ。首飾りを全て奪われたほうの負けということじゃ。よいな?おぬし等、今から別々の習合場所にて仲間と合流してもらう、それまで巻物を開くでないぞ?」と藤林が説明し、俺と風雅は彼の家を後にした。
風雅が向かった習合地点には、もう全ての面子が揃っていた。「おっ?風雅、やっときたね、巻物見せてよ?」という綺麗な顔をした青年は樹が始めてこの時代に来たときにいた童顔の青年であった。この集合場所では、童顔の青年と共にいた2mの大男の姿もあった。「ビャク、はやるな。」と風雅に制止された少年は『雷堂 白』その隣の大男はには『岩代入道』といい、音に聞こえる実力者であった。
特に、白の評価は風雅と並び『雷神・風神』と称されるほどの実力であった。その白が「やっぱり、大野さんちの犬千代君は敵みたいだね、京香?」というと外にはねた髪の女『京香』は「気にしてないわよ、弟には悪いけれども、私達が勝つから。」と言い放つ。「そうだな。」という影は3つ。『蛙屋 宗一』は気色の悪い四つんばいの姿で、その後ろの女は『お宮』男は『倉内 源三郎』と言う名のものであった。
源三郎が「この面子では勝ちが楽に見えるな。」と驕ったところ、白が「そー言うわけでも無いよ、向こうには『綾乃』と『瑪瑙』がいるし、犬千代と花も強いよ・・・・それに・・・どうなの、風雅?彼は強いの?」というと風雅は珍しく笑みを含めて「ああ・・・。奴は只者ではない。実力以上に策師な面を持っている所が怖いな・・・・。」と言い放った。その頃、樹はようやく集合場所についていた。