陽炎は為す術もなくやられていた。そして鬼蜘蛛は口よりありったけの糸を巣のように張り巡らせ、陽炎を捕らえる。身動きを取れなくなった陽炎に苦無で止めを刺す。しかし、その陽炎は蜃気楼で刃は空を裂くだけであった。


 そして鬼蜘蛛が振り向いたときには無数の陽炎が蜘蛛の巣にかかっていた。そして陽炎は「炎舞 一式 焔雪」そういった瞬間、晴天のはずの空から雪が降っていた。その雪はほんのりと赤色をしており、鬼蜘蛛に付着した瞬間、燃え上がった。「炎舞 二式 炎刃」炎の雪は集合し、いくつかの刀となって鬼蜘蛛に突き刺さる。「炎舞 三式 炎牢」と唱えると、蜃気楼であるはずの陽炎が鬼蜘蛛の周りを取り巻き、その瞬間炎の鎖に変化して鬼蜘蛛を捕縛する。


 陽炎は静かに「炎舞 終式 焔美人」というと陽炎は姿を消した。その瞬間俺の元に何かが投げ込まれる。陽炎の着物だ。「なっ!」驚いてる俺をよそに、陽炎は鬼蜘蛛の前に炎と化して現れた。そして死の抱擁を施すと、鬼蜘蛛は形もなく消え去った。


 そして戦い終わった陽炎はこちらに戻ってきた。そして纏った炎が取れる・・その瞬間、俺は敵方に向けて氷の壁を作り、陽炎の裸を見られないように死守した。しかし、自分の前に壁を作るのを忘れて陽炎の裸を直視してしまう。「ご、ごめ・・・。」と言葉を失う俺。「ちゃっかりと自分は見るのだな♪」と陽炎は俺をからかう。しかし、そのときの顔は笑顔で、俺の心を安心させるものであった。


 そうしている間に「おーい、次郎ちゃんがでるぞ!出て来い、我が弟弟子よ!もう我慢できないぞ!」と善鬼が抜刀する。俺は柄に手を置き「あぁ、そうだな、ぱっぱと任務をこなさないとな。」と静かに返す。今ここに、剣聖より剣を学んだ二雄が火花を散らす。