任務の詳細はこうである。剣術の披露会を催すとの理由で佐久間善鬼をよびだし、その披露会で我等伊賀忍軍の忍者が彼を狙うという作戦である。作戦場所は江戸。俺と犬千代は初めての江戸に興奮していた。
「やっぱ華があるなぁ、江戸は。」と犬千代が言うのに対して俺は「あぁ、町も女も綺麗だな。」とかえす。江戸の往来を通る女たちは本当に綺麗であった。次の幕府がひらくとこだと考えると当然だろう。「やべえ、あの人美人じゃね?」などと犬千代と二人で盛り上がっていると、左頬に激痛が走る。花が俺と犬千代の頬をつねり「もぅ、はしたないわよ!」と怒りながら更に両手に力を入れる。「あいっててて、ちょ、はなっ、痛いっ!!大丈夫だって、花もスゲー可愛いし、なぁ、犬千代?」と苦し紛れにフォローにならないフォローを入れてみると「ぉぅ・・・・・。」消え入りそうな声で同意する犬千代の顔は真っ赤になり、それを聞いた花も赤面していた。「ははぁん♪」その日俺は二人の気持ちを知って、一日中にやけていた。
次の日、俺たちは江戸城へと行き、披露会へ参加することになる。江戸城の門の前で一人の侍が俺たちに声をかける。「伊賀忍者さんですよね?私は鳥居小次郎と申す。皆様の案内役をさせて頂きまする。そして陽炎様、おひさしゅうございます。」といい、俺らを場内へ案内する。場内の広場へ案内された俺が見たものは、一人の大男であった。身長約185センチぐらいであろうか。この時代ではここまでのものは稀であろう。
「あらあら、お前等か?この次郎様に楯突こうって奴は?」という善鬼に対して「そうだよ、善鬼さん。」と軽く挑発する。すると彼は抜刀し、俺に切りかかる。その太刀筋は早く一刀斎以上で、俺はギリギリ瓶割刀で受け止める。すると善鬼は「俺の太刀を受けきるなんて、やるじゃねぇか。それにその刀、あえて誰が師とは問うまい。」といい善鬼はニヤリと笑った。そして「まぁ、俺を倒す前に、こいつらを倒して見るんだな!」とはき捨てると、彼の後ろから四人の忍びらしきものが出て来た。ただですむまいと思っていた俺らはすぐさま臨戦態勢に切り替えた。