戦国時代にタイムスリップした俺、和田樹は『刃心』という『異端な力を付加する液体』を使用し、『五行術』のうちの『水遁』を使う忍者となり、初任務に臨んだ。任務を終了してまた忍の里に戻ってきた。
「ただいま。」我が家に帰った俺は戸をあけると、バタバタと奥の部屋から少女がかけて来る。「お、おかえりなさいませ、樹さま!!」とその少女、おりんは走った勢いが余ってつまづき、前にのめりこむように倒れる。俺は一歩前に出て自分の胸でおりんを支え、手を添えてギュッと抱きしめる。「わぷ!!・・・・・ぇ?・・・・す、すいません、樹様・・・・・。」顔を真っ赤にするおりんに対して、すこし意地悪をしたくなった俺は「なんであやまるんだよ、りん。転ぶのは仕方ないことだろ?りんは悪くないよ。」といい、おりんは「ぃぇ・・・・。その・・・・・。だ・・・だだ・・・抱きつぃてしまっ・・・・・。」ゼロ距離である今でも聞き取れないほどゴニョゴニョというおりんに駄目押しで「あぁ、俺に抱きしめられるのが嫌ってことか、ごめんごめん。」と笑って見せると「そ、そんなことありません、わ、私は樹様をお慕いしております・・・・。」俺はてれながら「じゃ、不幸が転じて・・・・ってことか?」とおりんに笑顔を見せる。「はぃ・・・。そ、そのぉ・・・・。も、もぅすこしのぁぃだ・・・・このままで・・・。」というおりんに対して「わかった。」と返す俺がいた。帰ってくると迎えてくれる人がいる喜びをひしと感じていた。
それからの生活は、昼には山へ修行と飯を調達しに行き、夕方からはおりんと二人で過ごした。そんなある日のことだ。修行をしにいつもの山まで行くと、肩までの長さの髪をした少年が先にいた。その少年はもじどおり一瞬で俺の懐へもぐりこみ、膝蹴りを腹部に打ち込んだ。平穏はつかのま、また俺の前に新たな敵があらわれた。