戦国時代にタイムスリップしてきた俺。自分の家を与えられ、そこには生活を世話してくれる少女『おりん』と二人での生活が始まった。現代を離れたものの、自分が必要とされているこの世界が心地よくもあった。それに、おりんとの共同生活は楽しかった。おとなしくて、鈍臭く、恥ずかしがりやだがちゃんと家事もこなしてくれた。俺は陽炎からの呼び出しもなく。おりんと二人平和に暮らしていた。


 おりんが言うに俺は『とても優しい人』らしい。何故ならこの時代の日本は男尊女卑の思想が強く、この里でもよほど忍術に長けていない限りは、男のほうが態度がでかいらしい。『男女平等』の世界で生きてきた俺の接し方は、とても優しいという評価をもらっている。『夜伽』の件は『おりんに任せる』ということにした。やはり、向こうの気持ち無しには、そういうことをしたくない。おりんは、俺を慕ってくれているらしく、出かけるときは手を繋いでいる。餓鬼の様だが、それもまたいい。


 そんな日々をすごすこと数日。我が家に陽炎がやってきた。「樹、任務だ。今回行動を共にする面子に会う前に、すこし試したいことがあってな。修行でも積んだか?」まるでマシンガンのように用件を言っていく陽炎。それに対し俺は「いや、修行も何も、忍術においてのイロハのイもわからねーっすよ。」陽炎は静かに「そうか、ではまず、腕を差し出してくれないか?」『話し聞けよ!!』という突っ込みを入れたくなったが抑え、樹は腕を差し出す。「この針には即効性の毒が致死量ぬられている。」と言放ち、針を樹に刺した。樹は反論する間も無く、訳など判らぬままに殺されようとしていた。