俺は伊賀忍者衆の一人、泥壁に襲われた。その際に自分の能力であろうかと思われる水術を見つける結果となった。
「それがお主の忍術じゃ。樹殿。」藤林はにこやかに続ける。「しかも貴方が使ったのは五行の内の一つ、水遁術です。この里数百人の内にも使えるものはいませんよ!!他ならおるんだがね」俺はまったく話がよめなかった。「ゴギョウ・・・?スイトン・・・?忍術って一様のものじゃないのですか?」藤林はこう返す。「忍術は十人十色じゃよ。『刃心』が術者に合わせて能力を作り上げるんじゃ。『刃心』がみな一様に与えるのは身体能力の強化じゃよ。お主も体現したじゃろ?そして、五行と言うものは万物を司る5つの物質のことじゃ。具体的に言えば木・火・土・金・水じゃな、つまりじゃ、自然の力そのものを武器と出来るんじゃよ。後は陽炎にききよれ、あやつがお主の家にもつれていってくれよう。」陽炎という女と屋敷が出て行った。
『俺の家』へと向かう道。陽炎との会話はほとんどなかった。ただ「家に着くと側女が色々と説明してくれるだろう。用事があれば迎えに行く。主に任務となると私と一緒だと思え」と言われただけだ。たどり着いた『俺の家』は一人住みにしては大きすぎた。家の前で陽炎とは別れた。「ガララ・・」と戸を開けると中は明かりがともっていて、少女が一人玄関で正座していた。戸の音に驚いたらしくビクッと体を震わしていた。「お、おかえりなさいなせ・・・・。」いきなり噛んでいた。俺は関西人の癖でついつい突っ込みを入れる。「なさいなせ?」少女はまたビクっと体を震わし。「す、すいません・・・・・・。そ、そのぉ・・・・・。」少女が本気で怯えたようなので優しく返すことにする「怒ってないから?どうしたの?」少女はこう返す「お名前を・・・。」俺は名前を答えることにする。「和田樹です。」少女は慌てて「そ、その、敬語なんて使わないでください。私は樹様の側女なのですから!!あっ、それと、私の名前はおりんっていいます。その、樹様のお世話など、何でもさせて頂きます。掃除も、洗濯も、炊事も、その、あの、お夜伽も・・・・。樹様が望むのであれば・・・。」正直、このときは『夜伽』の意味を本当に知らなかった。「は?夜伽ってなんだよ?」少女は顔を赤らめて「そ、その、だだ、抱ぃてくださっても、結構ですとぃぅ意味で・・・。ぁぅぅ・・・・・。」今にも消え入りそうな声でゴニョゴニョと恥ずかしそうに答える彼女を見て、『そのようにさせた』自分自身も顔をあからめていた。そして、この習慣の違いが、自分が戦国末期いるということを実感させたのであった。