関節の動きを制限する因子11(筋肉の攣縮とは) | ダンサーの為の解剖学(ダンサーが知っておくべき身体のこと)

ダンサーの為の解剖学(ダンサーが知っておくべき身体のこと)

「ダンサーが知っておくべき身体のこと」って解剖学だけ勉強しても何をどう活かせばいいのか中々分からなかったりしますよね

ダンサーであり治療家である、という観点から解剖学といいつつ運動、生理、力学あたりの要素を踏まえつつ伝えていきます!

筋肉の攣縮(れんしゅく)とはそもそも何か。
いわゆるスパズムという筋肉の異常な緊張が生じているのですが、


常に筋肉が痙攣している状態なので、筋肉の中の血管がぎゅーっと圧力で絞められ、血液が足りない状態(虚血状態)になります。


そういう状態になると、発痛物質という、痛みを感じる物質放出されて、その筋肉や周辺の軟部組織に痛みが出ます。



メカニズムはとってもややこしいので見て見ないフリでいいですが、筋肉の短縮と攣縮はどう見分ければいいかというと



まず
①押すと痛いか




次に
②静的ストレッチが出来るか




この辺かなー。



押して痛いのに押し続けても筋肉が緩みません。

それだけ緊張しているので、筋肉が緩む位置でも緩まないし、伸びる位置に持ってかれると痛くて静的ストレッチもやれないような状況です。



体かたいから痛いとかそんな次元ではないので、素直に心折れます 笑



以前話してた関節機能障害でも似たような症状が出るのですが、攣縮だった場合どうやってその緊張を緩めればいいのかというと



『反回抑制』



という反射を利用します。



静的ストレッチはⅠb抑制を利用してました。


筋肉は収縮しかできない、という特徴がありましたよね。


でも筋肉の起始と停止をしばらくの間遠ざけて伸ばしてあげることで、筋肉が緩んでくるという反射でした。




が、攣縮してたら痛くて静的ストレッチは出来ません。そこで登場するのが『反回抑制』です。


筋肉の起始と停止を近づけたり遠ざけたりを繰り返すことで反回抑制が起きてくるのですが、自分で出来るかというと中々難しい。


これは関節機能障害と同様、治療家の範疇かなって感じです。



ちなみに攣縮していると、筋肉の機能も落ちてしまうので筋出力も落ちます。



そうなると動ける可動域まで動かす筋力が足らんってことにもなります。だから『筋力不足』でも関節の動きを制限することになるのです。



ちなみに筋肉、腱、靭帯、関節包、関節唇あたりの『軟部組織の損傷』も、損傷部位にストレスがかかれば痛みが出るし、その痛みによって可動域が制限されると考えられなくはありません。


関節そのものの可動域は影響なくても実質痛みで動かせないってやつ。損傷してたら筋力も落ちるしね。


ということで、筋肉の攣縮や筋力不足でも関節の動きを制限するってのがなんとなーくわかりましたかね




まぁ筋肉の攣縮じゃ短縮じゃなんてダンサーは別に知る必要がないです 笑
ただ静的ストレッチ頑張ってるのにどうにも可動域が変わらないケースの場合、こういったこともあるんだということを知っておくと


無駄な時間を過ごさずに済みます。



次回はようやく関節の動きを制限する因子最終回!!





、、、の予定 笑(終われるかな)