2023/10/02

 


 この日は 中々起き上がる事が出来なくて、全く寝た気がしませんでした。

 寝転がりながらも起きている様な寝ている様な、そんな時間を小1時間過ごし、やっとの思いで立ち上がりました。


 で、起き抜けにいつもの通り「一本!」とタバコに火をつけて、一口吸ったらいつもと違い深く吸い込めない。

 胸辺りが痛く感じる…。何だろう?と思いながらも火をつけたタバコが勿体無いので、もう一口軽く吸ったら後ろからドンと背中を叩かれた様な感じがして、椅子から倒れ込んだ。


 ギリギリ保っている意識の中で手を伸ばし(これも痛かった様に思う)灰皿でタバコを消した。そして、その状態を見たYさんが「救急車呼ぶ?」と、何気なく言った。

 いつもなら「大丈夫、大丈夫」と、答えるのだけれど、この時は『痛みがいつもと違う。記事で見た笑福亭笑瓶さんのコメントを思い出し、これがコメントに記されていた「これはヤバいかも」と言う感じなのだろう』と感じた。とにかく痛みが「ズキンズキン」ではなくて「ドーーーーン」と言う風に絶え間なく痛い。

 椅子から落ち数分、意識が飛んでいたが周りの騒がしさで意識を取り戻す。

 たまたま居合わせた息子が慌てふためいたYさんの

「救急車何番だっけ?」

「あれ?繋がらない?」

「相談する電話番号って何番だっけ?」

と、中々繋がらない救急呼び出しに焦りまくり、対応をしてくれている。


 救急車が混んでいたらしく、騒いでいるYさんの声で「救急車まだなんだ…あ、まだ倒れ込んだまま椅子の下で土下座した状態だ」と意識を取り戻す。数秒後にはまた意識飛ぶんだけれど、また意識復活。を繰り返す。


 中々連絡がつかず、やっと連絡出来ても数十分掛かるみたいに言われた様で、痛いながらも動かす事がかろうじて出来る身体を引き摺りながら軽く着替える。

 フッと「あれ?救急の方々、担架に俺を乗せて降りられないんじゃね?(中層階)※この時98kg程度体重がありましたw」と、思いつき、自力で降り始める。


 玄関開けた所で胸に差し込みがあり立ち止まると、急に玄関を出た俺を心配して息子が玄関から飛び出す。そのドアに「ドン」と後ろから押される俺。

 危なく階段から落ちるかと。

 下までゆっくり降りた後は、邪魔にならない場所で待機。(三方が確認出来る場所)

ところがT字の下の方に辺る所を間違って入って行く救急車。息子が素っ頓狂な声で「あれ?あっち行っちゃう!」(そっちに行くとぐるっと回る事になるのに…)と、ぶつぶつ独り言の様に呟く。

 中々来ない救急車を待つ間に、色々な物を用意してから降りてきたYさんと合流。流石だ!お薬手帳だの、保険証だの各クリニックの診察券だのをしっかりと取りまとめてる!

 救急車が目の前に到着するかしないかで、再度意識が飛ぶ。ここから先はポツンポツンと意識は点在するだけ。


 「あー。救急車乗ってる」


 「どこ向かうのかな?」


 「どこかで降ろされて声掛けられてる」

 (この行間は多分十分前後あって、その間、間は気を失ってると…)


ーここから手術ー


(この時、心筋梗塞を発症もしていて、そちらの手術をして下さいましたが、僕が余りにも背中が痛いと言うので、更に検査して「大動脈解離」を見つけて下さいました。ここまで1〜2時間)


 ただこの時東海大学八王子病院では「大動脈解離」の色々(医師も設備も時間も病床も。本当に色々)が空いておらず、青梅市民病院(今は市立青梅総合医療センター)に東海大学八王子病院の医師が同乗し搬送して頂きました。


 「あれ?降ろされたのに、また救急車乗ってる」

気を失う

 「TVで見た様な暗い通路」

気を失う


ーここから解離の手術ー


 当然全く何も微塵も記憶にないです


低温にされて、開胸(胸骨正中切開)人工心肺、オープンステントと言う流れの様です。