妊娠前の風疹検査について

Preconception careの1つに風疹抗体価のチェックがあります。

妊娠後~20週までに母体が風疹に感染すると、先天性風疹症候群のリスクが知られているからです。

風疹抗体価が低い場合、ワクチンの接種が推奨されます。

風疹やワクチンについて質問を頂くことが多いのでまとめてみます。

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① 接種の時期は?

 月経開始から避妊している状態で接種してください。

(妊娠中に風疹ワクチンを接種したことにより胎児に障害が出たという報告はこれ

までありませんが、その可能性が理論的に無いわけではありません)。

接種後は2か月の避妊が必要です。2回接種する場合は1回目から1か月以上あけてください。

 

② 接種の副作用は?

  発熱や発疹が10%以下で認められています。その他、ごく稀にアレルギー様症状が出現することがあります。

 

③ 接種すれば抗体がつきますか?

 1回接種で95%、2回接種で99%の方に抗体価上昇を認めています。稀に抗体がつかない(つきにくい)方もおられます。また、過去にワクチン接種や感染既往があり抗体価上昇を認めた方でも経時的に低下することがあります。従って、妊娠を考え始めた際には測定しておくことをお勧めします。

 

④ 過去に風疹ワクチン接種もしくは風疹感染の既往がある場合も、接種は必要ですか?

 上記の理由で、まずは抗体価検査が薦められます。仮に、抗体価が高い(すでに抗体がついている方)がワクチンを接種しても副作用が増強したり等デメリットは特にありません。

 

⑤ 抗体がつきにくい場合はどうしたら良いですか?

 風疹は主に飛沫感染(咳や鼻水)になります。妊娠の可能性があれば、不要不急の外出を避ける、やむを得ず外出をする際には可能な限り人ごみを避けるなどの注意が必要です。また、同居家族は風疹抗体価のチェックを受け、必要であればワクチンの接種を考慮してください。

 

⑥ 男性もワクチン接種は必要ですか?

 上記理由にも重なりますが、妊娠中の配偶者(妻)あるいはパートナー、職場の同

僚などに感染することで、赤ちゃんに影響する可能性が生じます。また、将来の自分の子供への感染のリスクを下げるためにも検査をして必要であればワクチン接種をしてください。

 

⑦ 卵アレルギーがあっても接種できますか?

 風疹ワクチンはニワトリの胚細胞を原料としているため、卵アレルギーの方でも安心して接種可能です。アレルギーの原因となる鶏卵タンパクは含まれていません。

但し、アレルギー疾患をお持ちの方はアレルギー反応が出やすい可能性があるので、

医師と相談になります。

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妊活を始める前に風疹抗体価のチェックは重要です。

ワクチン接種後は2か月の避妊が必要なので、早めに検査を受けることをお勧めします。