ICSIロボット
RBMO.May 24, 2023 doi.org/10.1016/j.rbmo.2023.05.009
ICSIロボット(ICSIA)による妊娠報告です。
デジタル顕微鏡からの画像でAI(人工知能)とCV(コンピュータービジョン)アルゴリズムを使用しています。精子選択は手動で行う必要がありますが、ピエゾパルスによる透明帯と卵膜の貫通、精子放出、放出後のピペット除去を含むICSI手順を自動化したものになります。
培養経験のない人によるICSIAと熟練した培養士による従来のICSIの臨床結果を比較しました。
ICSIA:正常受精率:93%(13/14個)、
良好胚盤胞率:61.5%(8個)、染色体正常胚率:50% (4個)
従来のICSI:正常受精率:88.8%(16/18個)、
良好胚盤胞率:75.0%(12個)、染色体正常胚率:83% (10個)
ICSIAで染色体正常率が低い要因として、精子の選択も培養経験のない人が行ったためと考察しています。
また、ICSIAによって受精した胚を移植した結果、3個の胚移植で2人が妊娠、出産に至っています。
<感想>
率直にすごいと思いました。
生殖医療にもAIを活用した技術が注目されています。
特にタイムラプスAIによる胚選別の研究報告が増えており、今後良好精子の選別にも応用できそうです。そうなれば今回のICSI-AIも実用化される可能性は十分ありますが、AI学習には膨大なデータ量が必要です。
臨床応用はまだ先かと思いますが、でも凄いですね。