ブログを読んでくれている全ての皆様へ





私、d-iZeは

2014年9月14日のライブをもちまして

2009年よりスタートした音楽活動に

いったんの区切りを付けさせていただくことを発表しておりました。

そして、そのライブも無事終わったので

これまでのこと、そしてこれからのことを書かせていただこうと思います。






すこし長くなりますが、読んでいただけると嬉しいです。






24歳の遅過ぎるスタートからの丸五年と何ヶ月か経ち

もうすぐ30歳になろうとしています。




小さい頃からずっと音楽を志してきた人たちが当たり前にいるような

初めて見る世界で

色んなコンプレックスをもちながら奮闘してきた5年間。




そのコンプレックスを、嫉妬を、悔しい経験を自分のガソリンにしながら

いつの間にか

「仕事」

として音楽をすることができるようになっていました。





そう。

僕にとっては最初から

「音楽をすること」、よりも

「仕事として音楽をすること」、が

何よりも大事でした。




どんな仕事でもそうですが

働くことって、

自分のちいさな世界(家族とか友人とか)以外の、

無限大の人とつながる最高のツールだと、僕は思うんです。



あったこともない人たちと、

もしかしたらこれからも会うこともない人たちと、

仕事をして出来た「何か」でだけ繋がる瞬間がある。

カタチのあるものもあれば、僕らの普段感じてないものまで

全部、たくさんの人の「仕事」でなりたっている。



そんな中の一個に

僕のつくる「音楽」も入ってほしいと

はじめた時からずっと思ってやってきました。




誰かに必要とされる「仕事」の大切さや重さに比べたら、

それ以外は何でもないと思うことが出来るくらい

僕は音楽活動に没頭することができました。

それが、結局は、巡り巡って僕の「楽しさ」だったからだと思います。



けれど、ある時から

僕はそんな音楽という仕事に「依存」しはじめました。

歌っている時の僕や、曲を作っている時の僕が、

僕の「全て」になりかけていました。




そうなってしまうと、

音楽や歌を否定されることと

自分という存在を否定されることはイコールです。

そんな恐怖を感じるあまり

自分の作る音楽や、自分自身の価値を、

信じ続けることができなくなっていきました。




結果、最も大事にしてきたはずの

「仕事」としての責任を果たすことができないまま

たくさんの人に、

ご心配とご迷惑をかけてしまいました。

本当に申し訳なかったと思います。




それをうけて

これ以上継続していくことは無理だと考え

一度、音楽を、d-iZeという活動を終えようと考えました。




休んでいる一年の間、

ピアノを弾かなくても

歌を歌わなくても

生きていくことは出来ました。

むしろ誰にも聞いてもらうことのない音楽には

自分の為だけに歌う歌には

意味を感じることはできませんでした。





けれど。




『何ができるんだろう。

何が残っているんだろう。』






どんどん過ぎる日々の中、

僕に一番近い一人の人間の存在が

ずーっと励まし、支えてくれていることに気付けたのは

離れてだいぶ経ってからのことです。





youtubeの画面の中で、

過去のライブ映像の中で、

CDの中で、

twitterの向こうにいる人の頭の中で、

街で声をかけてくれる人の心の中で。




その人はずっと、

「d-iZe」として

僕であり、僕ではないところで

がんばって歌っていました。




『何ができるんだろう。

何が残っているんだろう。』




5年間の活動で僕が得た一番の財産は、

ピアノの腕でも、歌の技術でもなく、

d-iZeという存在が与えてくれた

たくさんの人との「つながり」でした。




僕は、音楽をやめることで

その「つながり」までも手放してしまおうとしていました。





歌のうまい人はいっぱいいます。

ピアノがうまい人はさらにいっぱいいます。

そして、その人たちですら仕事にして生きていくのが困難な

音楽にとっては厳しい時代です。




けれど今の僕は、そんな厳しい業界の中でも

「音楽」を「仕事」に選ぶことでしか

d-iZeでつながってきた人たちや、

これからd-iZeをしってくれるかもしれない人たちと

繋がっていくことはできません。






「音楽」にとって、「僕」は必要ではないかもしれない。

でも。

「僕」にとって、「音楽」はやっぱり必要だ。




今年の7月、ようやくそれに気がつくことができたとき、

どんなに恥をかくことになっても

どんなに一人でこれからやっていく道が大変になっても

もう一度、音楽活動を再開することに迷いはなくなりました。






とはいえ、

やはりたくさんの方にご迷惑をおかけし、

すごく曖昧なまま一度は休止を宣言した僕が

もう一度ゼロからスタートをきる為には、

ゼロになる為の「終わり」が必要だと考え、

また、何よりもこれまで応援してくれた方に

直接あって言葉を伝えるという意味を込め、

今回の締めくくりのライブを企画するに至りました。





急遽対応してくれた両会場の方には

改めて感謝します。

四谷天窓comfort.さんは

僕の人生初のライブハウス経験をした大切な場所ですし、

大阪のSoap Opera Classicsさんは

人生で初めて単身遠征ライブを行った、こちらも大切な場所です。

どちらも、何よりお客さんとの距離も近く、

今の僕がしっかりと伝えられる、最適の場所だと考えました。



また、

悩み続け、立ち止まった僕を支えてくれた

家族と友人、特に両親には、

「もう一度音楽を初めてみては?」

と、何度も何度も言ってくれたのに

頑なに拒んでしまい、申し訳なかった気持ちと、

「それでもだめなら、音楽じゃなくても、何かまたみつけられたらいいね」

と、暖かく人生を応援し続けてくれたことへの感謝を伝えたいです。



卒業するとき、きちんとご挨拶が出来なかった関係者の皆さんにも

このたびのしめくくり、再開するご挨拶をした方たちからは

思わぬ温かい言葉をいただき、

すくわれた気持ちと、引き締まる思いを感じました。

たくさん学ばせていただいたことを

これからの活動で余すところなく使わせていただきます。




そして、何より

卒業してからも街で声をかけてくれたり、

twitterやブログに何百、何千という声をよせてくれた

たくさんの皆さんが僕にくれたパワーは

本当に大きいものでした。

ありがとうございました。






これからの活動については、現段階では詳細を発表できるほどの準備が整っているとは言えず、

ブログやツイッターなどで、段階的にお知らせしていくカタチになるとは思いますが、

2014年いっぱいを準備期間/実験期間として使い、

2015年年明け早々より、新しい形態で本格始動させていただこうと思っております。

すでにたくさんの新しい試みにチャレンジしており、

失敗作もたくさん生まれつつありますが、

やっぱりその全てが愛おしく、

あらためてゼロからスタートできる喜びと

音楽という仕事に没頭する幸せを感じています。




一日も早く、皆さんに新しいカタチでの

僕の活動を見ていただけるようにがんばりますので、

心の片隅に、d-iZeの存在と、僕の音楽を置いておいてくれたら嬉しいです。





最後になりましたが

これまでの5年と数ヶ月のd-iZeとしての音楽人生には

たくさんの後悔を残し、

だからこそすごく愛おしく輝いた日々になったと思っております。

そんな日々を一緒に駆け抜けてくれた

全ての皆さんに心から感謝しています。




本当に今までどうもありがとう。

そして、これからもどうぞよろしくお願い致します。





2014年9月16日 
五時間かけ、結局日をまたいでしまった午前2時半

愛を込めて

d-iZe