先日、天気予報のニュースを見ていて、ふと気になったことがあったので、調べてみた。
僕の住んでいる北九州地方は、気候的にも文化的にも、山口県との関わりが深いところで、天気予報でも博多方面よりは北九州・下関地方が一緒になっていることが多い。
それで、その北九州・下関地方の天気予報を見ているとき、下関市がやけに大きい(面積的に)ということに気がついた。
ぱっと見た感じでも、京築地方(2市5町)すべてを合わせた面積より、下関市1市のほうが大きく見えた。
そこで、気になったついでに、福岡県と山口県の自治体の人口・面積の規模をざっと調べてみたので、以下に記載しておきます(数字は概数)。
まず、面積について。
面積は福岡が山口の80%程度ですが、自治体数は福岡が山口の約3倍。
逆に1自治体数あたりの面積では、山口が福岡の約4倍。
つまり、特徴として、福岡には小さめの自治体が数多くあり、山口には面積の広いまとまった自治体があるということですね。
例えば、
山口で一番広い山口市は、1,023k㎡。
対して福岡は、一番広い北九州市でも488k㎡。
その他、面積による自治体数を表にまとめてみました。
これをみると、
山口は、面積100k㎡以上の自治体が約70%を占めます(300k㎡以上;約40%)。
これに対し、福岡は山口の逆で、100k㎡未満の自治体が約70%(300k㎡以上はわずかに5%)。
次に、自治体の人口規模ですが、
総人口では福岡が山口の約3.5倍。
自治体ごとの人口構成は次の通りです。
福岡は、総人口が多いにも関わらず、10万人以上の自治体はわずか12%。10万人未満の自治体が90%近くを占めます。
対して、山口は10万人以上の自治体が30%強。
以上、面積・人口の面から両県を比べると、お隣さん同士といえども、行政構造の点ではかなり違いがある自治体だということが分かりました。
自治体の成り立ちには、各県の歴史的経緯もあると思いますが、
山口では市町村合併が比較的スムーズに進んだのかなという気がします(実際、山口県では、ここ10年ほどの間に市町村数が1/3程度に減っています)。
地方自治に詳しい佐々木信夫教授によれば、
基礎自治体の最適人口規模は、10~30万人。また、同教授は、今後地域主権が進むにつれ、地方自治体が政策官庁としての機能を更に強化するには、15万人以上の人口規模が望ましいともいっています(同教授の研究による最適値は約17万人)。
(ちなみに、人口20万人以上になれば特例市、30万人以上なら中核市の指定が受けられます。地方自治法)
だとすれば、佐々木教授の説にあてはめた場合、将来の福岡県にとって望ましい自治体数は、人口規模でいうと、
・10万人の場合;51自治体(平均面積;約100k㎡)
・20万人の場合;25自治体(平均面積;約200k㎡)
・30万人の場合;17自治体(平均面積;約300k㎡)
ということになります。
実際には、都市部とそれ以外との人口密度の違いなど様々な要因がありますので、一律に捕らえることは出来ませんが、将来像を考えるにあたっては、まずは小規模自治体の更なる再編を経て、人口10万人規模の自治体を増やしていく方向になるのかなと思います。
ちなみに、
最初に触れた下関市の面積は716k㎡。京築地方の5市町面積合計は566k㎡でした。
~追記(20130421)~
読売新聞のウェブサイトで地方自治関係の記事を読んでいるとき、下記のデータを見つけた。参考になると思うので、ここに記します。
(1999.3~2010.3)
・長崎県の市町村数減少率は全国No.1
・福岡県は、九州・沖縄・山口の中で下から2番目