今日はちょっと悲しいお話よ。


あたし、ここに来る前は

道路向かいの工務店の

廃車の下にいたの。


たぶん捨てられたんだと思うわ。


覚えてないけど。


オーナーを紹介してくれた

ご近所さんの話だと

あたし、真冬に一人っきりだったらしいの。


まだ手のひらサイズの子猫でね。

このくらいの頃ね。



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何日もその車の下にいるもんだから

ご近所さんがね、猫好きで

お湯でやわらかくしたカリカリや

ちくわなんかをくれたのよ。


でも

そのご近所さんちには

野良上がりの先客が

5匹も居てね。


引き取れなかったらしいの。


ある雨の日にね

あたし、いなくなっちゃったみたいで

ご近所さん探してくれたんだって。


・・・あたし、近所のね

電車の基地に避難してたの。


そこでいい人に会っちゃって。

春には身重になってたわ。

生まれてから一年ぐらいでね

最初の子宝に恵まれちゃったの。

4匹も。


なのに

夏になる前に、あの人

姿を消したの。


必死だったわ。


どうやって育てたらいいか分からないし

ネズミも捕ったことないんですもの。


食事は専ら

マンションのごみ捨て場ね。


一日おきに生ゴミ出てるから。

結構漁っちゃったわね(笑)


問題になっちゃったのよ、そのゴミ捨て場で。

漁ってるのがいる、って。

ちょうどその時期よ、


忘れたい事件。



ゴミ捨て場で人間の子供に見つかってね

子どもたち連れて逃げたの。

でもまだ小さくてね。


人間の子供が私たちに

石を投げつけたのよ!!


そのひとつがね

私の子に・・・・・


騒ぎを聞いてご近所さんが来てくれたんだけど

その時にはもう、間に合わなくてね・・・・・


忘れもしないわ、あの子供の言葉。

「ぅわ!ネコだ!汚い!!!」


汚れてるあたしはともかく

小さくてかわいいあたしの子供にまで・・・・





それからあたし

人間大嫌いになったの。


こっち見るだけで

シャーシャー言ってやったわ。





あー、湿気っぽくなっちゃったわね。


飲みなおしましょ


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