先に断っておきますが、ブログテーマの通りあくまで競馬予想になぞらえた「人生観」です。

競馬予想においても前走との比較を重視する方は多いだろう。例えば今回が1000万条件の芝1600m戦だとする。過去に同条件での実績がどうだったかということ以上に、前走から距離延長なのか距離短縮なのか、あるいは昇級戦か降級戦かなどを重視する予想法だ。

私も実際前走から距離短縮のダイワメジャー産駆・アドマイヤムーン産駆、昇級戦のステイゴールド産駆は買いなどを予想に活用し、いい思いもさせてもらっている。

しかし最近思うのは仕事や人生こそ前走比較がものを言うというか、モチベーションや疲労感に大きく影響するなとつくづく感じることだ。

通勤一つ取ってもそう。転職4回異動も含めると二桁の勤務地を経験している私だが、去年暮れまで勤めた職場が一番長く通ったところで、時間帯によるが乗り換え2~3回電車だけで1時間半ドアtoドアで2時間(我ながらよく通ったガーン)かかっていた。しかし1月~7月まで勤めた職場が乗り換え1回ドアtoドアで45分とずいぶん楽だった。そして8月からが乗り換え2回ドアトゥドアで1時間15分。

これまでの自分の経験からすれば乗り換え2回1時間15分の通勤くらい苦になろうはずもない。しかし直近がより楽だっただけに実際かなり面倒に感じる。

起床時間にしてもそう。6時30分起きの生活を数年来続けて、直近の半年はシフト制ゆえ多少のばらつきはあったものの大半は9~10時起き。で、8月からは7~8時起きが主流。普通に考えれば7~8時起きが苦になるはずはない。それでも直近の生活よりは早起きになっているだけに眠さは残る。

仕事そのものもそう。異動前との比較でやりやすさが変わってくる。

身体や無意識はよりシンプルで素直だ。頭で考えれば過去の経験と比べてどうということない条件でも、直近の環境との比較で多少でも条件が悪化するとすぐに苦しさを感じる。

もちろん逆もまた然りで客観的には厳しい条件でも直前により厳しい環境を経験しているとむしろ楽に感じる。陸上競技の高地トレーニングなんかと同じ理論だろう。

競馬も人と馬という生き物が関わる競技である以上、絶対能力や対戦比較と同等かそれ以上に前走比較という要素も重要というのは頷ける話だ。

しかしそれ以上に人生の選択において重要な要素だ。就職や転職、異動や昇進、恋愛や結婚、引越など、頭で考えた客観的な予想をあてにしすぎてはいけない。些細なことであっても条件が現状より悪化することは「まぁ我慢できるだろう」「大して気にならないだろう」などと安易に考えないことだ。それは大きな人生の誤選択に繋がりかねない。
とにかく無意識はすぐに反応する。僅かなことでも条件悪化はそれ相応の覚悟を持って受け入れる必要があるということだ。