そういえば運営は、あのネズミたちの供養塔くらい建ててくれてもよかったのにな。
ふとそんなことを思って、隠居後にも関わらず日記を書くことに。
べつに私も建ててやってもいいだろうと、そう思ったからです。
これは5月5日から5月19日にかけて行われたイベント「天地鳴動」のうち、5月11日までの私が参加した部分についての私的な回顧で、多分に主観的で、散文的で、事実と違うところも多いことだと思います。
私とは違うスタンスで遊んだ人を批判する意図はもちろんありません。
口だけマッハなPre初心者が戦列の後ろから一週間ネズミを飛ばしていたお話で、その思い出話です。
引用している画像等につきまして、許可をくださった皆さん、ありがとうございました。
以上が前置き。
魔神とネズミとD鯖と
5月5日(火曜日)
ゴールデンウィークも終盤。
例の緊急事態宣言で世間は自粛ムードの大型連休だったが、Moe界隈は里帰りで遊びに来る人や新規ユーザーが入ってきたりで賑わっていたらしい。
対人大会のDACや一三八市などイベントも目白押しで、私の周りの人間もちらほらダイアロスに遊びに戻っている連中がいるようだった。
私はと言えばたまにイベントを開く以外はとんとご無沙汰で、時々ツイッターを眺めてはみんなの近況に目を通すくらいだった。
でもなんとなく楽しそうな様子は伝わってくるし、その雰囲気に影響されたのもあったのだと思う。
歯を磨いて寝る前に、Pitさんの生放送を開いてみた。
なんでも「天地鳴動」なる公式イベントをやっているらしい。
画面に映っているのはとてもD鯖とは信じられないほどの大人数。
ほうほう、めちゃめちゃ盛り上がってるやん。
やるやん運営!イベント大人気やん!!
しかし、しばらく放送を見ていると、どうも状況はそういうことではないらしく。
流れてくるのは戦意喪失コメントと運営への怨嗟が大半。
陰か陽かで言えば、はっきり陰。
どうやら二体いる魔神が強いならまだしも、HPが減らなさすぎてやってられんと、そういうことらしい。
いやいや、これだけの人数でたかって削れないなんていうことはないだろう。
Warイベントで敵側の妨害が入らない時に、大型のMobでもどれだけ簡単に溶かされるかは知っているつもりだ。
みんな大げさだなぁ、HAHAHAと笑いながら眺め続ける。
1mmも減らない
ウソでしょ?
この時点で私はちょっとワクワクしはじめた。
誰でもクリアできるイベントもけっこうだけど、無理に見えるくらいの方がやりがいがある。
真女神転生2のラスボスを3時間かけて倒したのは楽しい思い出だ。(二度とやらんけど)
しかしソワソワし始める私とは裏腹に、コメントはネガで埋め尽くされた。
「そもそもイルミナのコピーなのが分かってない」
「これを倒して見合う報酬とかあるわけない」
「せっかく初心者や帰郷者が入ってきてるのにこれじゃあ・・・」
云々。
まぁ気持ちはわかる。よくは知らんけど。
とは言え、まだ戦ってる奴も隣にいるだろうに、口から吐くのはそんなことばっかってどうなんだ?
だんだんと微妙な気分になってきたところで、トドメのコメントが目に入った。
「せめて〇〇さん(有名プレイヤーさん)が旗振りでもしてくれないと」
(# ゚Д゚)ハァ?
これを見てわたしの中のフジコがくぁwせdrftgyった。
このイベントが火傷案件なことが分かっているなら、旗振った人間にリスクが大きいことくらいよぉ、おめーよぉ。
よくそんな情けないことを、恥知らずにも、他力本願寺によーしわかった。
よーしよーしわかった。
わたしも出る。
わたしはきっと、このコメントの主よりも弱いだろう。なにせ拳僧兵にも負けるからな。
でもその場にいてHAの一発でも打てば、いてない人間よりは役に立ったと言えるだろう。
蟻んこ並の知能でそう計算式を立てた私は、このイベントは復帰することに決めた。
先の発言に部外者の私は不愉快には思えても、腹を立てることはできないだろう。
じゃーいーもんね。
部外者やめて当事者になってやるもんね。
そんなわけで私は久々にMoeを起動させて、長いアップデートを始めた。
5月6日(水曜日)
ちなみにこの前日、アップデートをしている時にんこんこさんがE鯖でレイドをやっている通話をしていたので、様子を知りに混ざりに行った。
んこんこさんが、「バハルんもこっちで一緒にやろうぜ」と誘ってくれた。
なんでも他鯖で倒せない相手をE鯖でだけ倒せたら楽しいやん、とのこと。
正直、E鯖の人たちには好きな人が多い。この後はイベントを開かせてもらう予定だってある。
その心意気だって大好きだし、だから誘ってもらえたのはうれしかった。
でもおれ、閑古鳥鳴いてるけどD鯖の人間なんよね。ってことで、せっかくの好意に悪かったけど断らせてもらう。
お互い場所がちがっても、楽しく魔神をぶん殴ろう。
んでゴールデンウィーク最終日。
確か18:00からの戦闘に参加すべく、仕事を早めに切り上げた。
Pitさん、ふらんさん、ソラさんの3人に声をかけてあったので合流。
3人ともすでにレイドを体験済であったらしく、かなり腰が重かった。
どうして誘ったのかははっきりと覚えていないが、確か「4人でだべって放送でもしながらやったら脳死ゲーもマシでしょ^^」みたいな酷い理由だったとおもう。
まぁね。なんだその。
ごめんて。
ちなみにフランさんとの会話。
ばはる
「戦いもせんと不満ばっかり言ってるやつは腹立つやん」
ふらん
「そりゃバハルんはPre活とか真面目にやってないけど、真面目にやってる人たちは貯めこんだ物資溶かしまくってるの」
「しかもそれでまったく倒せる目途も無い事情があるの。だから不満ばっかりとか言うのは違うと思うよ」
(;´Д`) はい
正論過ぎてハイしかでなかった件。
んで合流してみると、ふらさんが早速ラッパの装備を渡してくる。
なんでもこの装備の専用テクでネズミを大量に呼び出し、それに反射バフをかけて魔神にぶつける作戦、
ネズミサイル計画を進めてくれてる人たちがいるらしい。
勝てる勝てないはどうでもよかったが、ゴミクソスキルのわたしでも役に立てるのはありがたい。
なにより私がネガ発言ばかりを見ていただけで、意気軒高な人たちがいると知ってうれしかった。
後で知ったことだけど、このネズミサイル計画はぴよたさんの北西の楽しい仲間が立案し、ぴよたさんがバフ撒き役をしてくれていたらしい。
この場を借りてになりますが、ありがとうございます。
おかげでいい時間を過ごせました。
魔神討伐のエリアに入ると、確か60人ほどはすでに居た。(すぐに100人ほどに増えたと思う。)
微妙にざわざわしているのは、どうも魔神が2体から1体に減っているらしい。
そういうのはNPCが一体道連れにして倒したとか、せめてひと手間加えろよぉぉォ(号泣
内心でかなり動揺するが、まぁいい。
これはツッコんだら負けな戦いだ。
ちょっと肩透かしをくらったような気がしつつ、D鯖笑おう会の面々でだべりながら魔神を攻撃開始。
この時点で魔神のHPがどの程度削れていたかは覚えていない。
隅っこでせかせか召喚テクを使ってドブネズミを呼び出し、バフがかかったら/petattack。
ご同業のネズミ出荷の人もたくさんいる。正直画面に表示されないぐらいネズミが大量に出てくる。
ぴよたさんのバフ撒きと同時に、ナン十匹かのネズミが一斉に魔神に走っていく。
このネズミサイル、やってることは(自分視点では)地味だけどは抜群らしく、少しずつだけど確実に魔神のHPは減っている。
せこせこ召喚。
せこせこ出荷。
せこせこ…。
なんかの出荷作業をしている気分になる。
しかしなんだ。
始まって30分くらいしてわかったんだがこれ。
そーか。これが先陣を切った人たちの見た闇だったのかー。
かるく戦慄を覚える。
いつも以上にふらんさんとソラさんの会話が賑やかなのは、正気を保つためのそういう儀式なんだろう。
Pitさんは下ネタとか際どい系の会話になると完全に静かになった。どうやら一人だけ冷静らしい。
私は三人を呼び出した手前、黙ることもできず、かといって気の利いた話も振れず。
……。
…………。
Sayマクロ組んで遊ぼう。(ぽちぽち)
5月7日(木曜日)
ゴールデンウィーク明け。
参加できる人間は減るだろうし、ペースは落ちるだろうなぁなんて考えながら討伐部屋へ。
ふらんさんが先にネズミ出荷に出勤してきいた。
ふらん「昨日も4時半までやぞ」
なるほど。深夜隊どころか早朝隊まで出ていたらしい。
どうりで魔神のHPが減っているわけだ。
他には、げたさんやみそさんも前日に出撃していたらしく
それをこんな形で教えてほしくはなかった。
18:00、21:00、24:00の便で出撃したように記憶している。
ゴールデンウィークが明けてもそれほど人は減っていなかった。
人が多い時は魔神のHPを3~4%ほど削れるらしいことも、だいたい分かってきた。
参加者が見込める時間帯が18:00~24:00の3回だとして、10%。
さらに睡眠時間を削る人たちの勇者出撃を込みでも、1日で11%強がやっとだろう。
げたさんが前の方に行って、パニでノリノリだったらしいことを後で聞いた。
いまだに誰もしなくなったタルパレRTAなどと求道者めいた遊びをしている奴はさすがに違う。
よーやるわ。
みそさんは霊体アタックを繰り返していたらしい。
そういうクソWar民なところほんとにすきだ。
戦闘の時間は長く感じるようになった。
おしゃべりもチャットもほとんど無くなっていた。
魔神のHPは確かに減りつつあったが、このペースではいくらか間に合わないかもしれないと、恐らく誰もが分かってはいた。
前衛は何時間にもわたって魔神を張りつけにし、
禁断のページは破られ続け、
ネズミは走り続けた。
5月8日(金曜日)
費やされる戦費、毎秒45億。4日続けば、メルキアの国家予算が吹っ飛ぶ。
~ボトムズ~
みたいなナレーションが思い浮かぶレイドクエスト《天地鳴動》
突如現れた、アポカリプスというNPCの名前の絶妙なダサさも
ボス敵のHPをこの数値にした思惑も
倒さないと世界が終わるらしいけど、そんなこと言って倒せなかった時のこと考えてるのか運営とかも
種々様々なモヤモヤを押し殺して戦うレイドクエスト。
その辺は真面目に考えたら手が止まる。考えるのは後でいい。(蟻知能)
ツイッターやらなんやらでだいぶ運営批判が高まっていたのは知ってはいたけれど、まぁ自分には関係がないことだ。
みたいに思っていたら、この日、ツイッターからまぁまぁのパンチが飛んでくる。
これに対するユーザーからの反応は色々だったが、反応した人の多さは特筆に値するだろう。
これを「運営の言い逃れ」とする人もれいば「バグだったんかい!」と憤慨する人もいた。
概して「どっちにしてももうちょっとマシな謝り方しろや」が多かったんじゃないかな。
わたしは笑ってしまったんだけれど。
なにはともあれ、これで魔神はバグミナ様になった。
ゴールデンウィークや外出自粛中のユーザーを楽しませようと設計され、
けれどもユーザーの大部分からは非難を浴び、
そして開発者からはバグだったと切り捨てられた。
かわいそうに。
ちゃんとおれ達が殺してやらなきゃな。
そういえば映画監督のウディ・アレンが言っていた。
「神様がいるとしたら悪い奴じゃない。ただ力不足なせいで悪く言われる」
この頃になると、(あるいは初期からかもしれないけど)討伐エリアでは禁断バフが掛かるものならもう何でも飛ぶようになっていた。
ものまねはミラージュミミックを走らせ、海戦士はマグロを突っ込ませていた。
マブの使徒もいたし、ドラゴンゾンビもいた。
魔神はワールドエンドを撃つようになり、それがペットのバフを剥がして攻略時間を遅滞させた。
突撃していったペットたちが途中で闇の爆発に巻き込まれるのが、歩兵が迫撃砲を受ける映画のシーンみたいで嫌いではなかった。
そんな中で、誰かがクラーケンを走らせていた。
動きの遅いクラーケンは、途中で何度もワールドエンドを食らってバフが剥げ、鈍足になり、のろのろと魔神に向かって行った。
わざわざHAをかけに行った奴もいた。バフももう無いのに。
あのクラーケンは、人気者だった。
前衛を務めていた人たちのことは、正直なところよくわからない。
なぜって?
前に行くと死ぬからだよ!!(ブチキレ
ただ、どういう心境なんだろうなと思った。
何十人の火力を控えさせてボスを張りつけにするのはさぞかしいい気分だろうなとも思うし、
それとも難しい作業をしながらでも私たちと同様に頭カラッポにしないと長時間はやり続けられないのか。
その辺はよくわからないけれど、私の参加していた時にラッパ隊が壊滅したことは無かったと記憶している。
カグさんから、突然の呼び出しがあって、
「ヘルミナ練習したいから、専ヒラしてくれませんか?」
とのことだった。
俺にヒラ頼むとは命知らずなやつだな、と思ったけどもちろんかまわない。
二人で何度も死んだけれど、だんだんと死ぬ間隔は長くなっていった。
明日もやるのかなと思っていたけれど、カグさんは引っ越しでレイドに来れるのは今日が最後だったらしい。
忙しかったやろうになぁw
禁断バフ役の人に、どんどん有志から断片が届けられているらしい。
ネズミはまだまだ走らなければならない。
5月9日(土曜日)
変わることなくネズミ出荷のお仕事。
周りの人間も、たぶん討伐部屋の人間もだいたい寝不足が多くなっていた。
周りの雑談では報酬の話などがでて、げたさんが「もし錬金素材だったら運営に虫を送る」などと物騒なことを言いはじめる。
実際には、みんな報酬を楽しみにしていたわけじゃない。
進んでいるのかいないのかもわからない魔神討伐の間の会話がほしかっただけだ。
みそさんが、「ヒマなやつ魔神倒しに出ようぜ」と周りに言っていた。
珍しいことだった。
それだけ勝ちたいんだろうな。
今日は土曜日なので人出は多かった。
やっていることは単調で、
などとPCの前で悪い顔をしながらネズミを送り続けるだけだ。
相変わらず時間の進みが遅い。
討伐の間はまだしも、強制インターバルの90分間がとりわけ苦痛だった。
まぁ、途中で区切りをつけんとミイラになるまでPCに張り付く人間もいるだろうしな。
しゃーない。
この頃には、ツイッターを見るのがささやかな楽しみになっていた。
スイさんのHP報告は見ていないと進んでる気がしなかったし、
あっちこっちでレイドの話が出ていて「あー。みんなやってんなー」と思えて好きだった。
D鯖が攻略の進行トップを進んでいたようで、E鯖やP鯖の人たちから「さすがデストロイのD鯖」という話があがってきていた。
たしかに、まさかD鯖がそんなに進めると思っていなかった。むしろ普段ならブッチギリの最下位だろう。
もうやることがなくなったエルダーD鯖民たちが、お祭り騒ぎに誘い出されてやってきたのかな? そのへんはよくわからない。
ただ、E鯖とP鯖の方がレイドクエストの人の集まりは悪かったらしい。
ネズミサイルの採用も、たしかこの辺りからだったように思う。
あのさ。
逆にそれすごくないか?
それほど人も集まらず、魔神のHPもロクに減らないままで今日まで戦ってた連中がいたってことでしょ?
などと失敬なことを一瞬考えるが、仕方のないことだと思う。
デストロイなのはお前らだろwwwww
昨日の公式ツイッターの騒ぎでこれはマズいと思ったのか、それとも先触れだったのか、公式サイトの方でお詫びが入る。
レイドクエストにも何やら修正が入るらしい。
GMもわざわざ討伐部屋に出現した。確か21:00の便だったと思う。
針のムシロだろうに頑張るな、と思った。
「GMに禁断バフかけて魔神に飛ばそうぜ^^」
などという鬼畜な意見も出たが、GMは進んでリザを配ったり戦ったりしていた。
これに関しては、言うことが無い。
頑張っている人間を、わたしは否定したくない。
水入り後にGMは中央エリアで話をしていったらしいが、わたしはさっさと仮眠することにした。
どういう情報が出てもやることは変わらんと思ったからだ。
あとで聞くところによると、こういうことだったらしい。
要するに、「報酬がほしい人は月曜日に受け取れるよ」「次回のメンテナンスで魔神はいっかいリセットして修正するね」
まぁそういうことだと理解した。
メンテナンスは火曜日だから、そうなると残りは3日だ。
火曜日の朝にメンテナンスに入ることを考えたら、実質的には残り2日だろう。
この時そう思ったが、間違いだったことは後になって分かったことだ。
まぁ厳しいところだろう。
この頃囁かれていた好材料としては、
・週末で人が増える、活動時間が延びること
・魔神のHPが2割を切ればギロチンコールで固定ダメージが入る
不安材料としては
・HPの減った魔神の挙動が変わるかもしれない
そんな感じだったと思う。
残り2日でどこまでやれるか。
5月10日(日曜日)
魔神のHPは、深夜・早朝隊によってかなり削られていた。
あとで見るとぴよたさんは音声を切って討伐を生放送していたらしい。
みそさんは相変わらず元気だった。
ここまで来たら倒したいと、たぶん誰もが思っていた。
最初は勝てる勝てないを気にしていなかった私も、勝ちたいと思うようになっていた。
我ながら現金なことだ。
だけど、倒れた魔神の前でみんなで集合写真が撮りたくなった。
しかしこの日は、E鯖でのWarイベントを主催することになっていた。
開始が20:30だし、19:00からの便くらいはいいんじゃないかな(;´Д`)
などという思いが頭をよぎったが、さすがに人を巻き込んだ人間がチョロチョロするのはどうかなと思って、討伐は自粛することに。
E鯖のヌブ村でツイッターを眺めて過ごす。
余談ながら、Warイベント開始前に運営さんから連絡が入って「予定していたイベント設定に不備があった」とのこと。
結局はその不備を周知することでトラブルは回避できた。
D鯖でウェーイwww してたらと思うと危ないところだったぜ・・・。
運営さんが裏でてんやわんやしていることは、なんとなく察せられた。
E鯖でのイベント終了後、24:00からの便で出撃。
D鯖民はもうこんな感じになってた↓
良い子は寝る時間だし、いい大人だって寝る時間だがおかまいなしだった。
もちろん私も混ざった。
暗黒部隊のギロチンは機能していたようで、魔神討伐は大幅に進行していた。
ダメージカットで溜まっていた鬱屈を一気に晴らすような暴れ方をしていたと聞いて楽しかった。
5月11日(月曜日)
残り1.5割。
一回の出撃で3%から4%。
コアタイムの18:00、21:00、24:00の3回ではいくらか足りない。
しかしここまで減っていれば加勢も見込め、なんなら火曜メンテまで張り付けばあるいは…。
コインの裏表どちらが出るのかは、ここまで来ても分からなかった。
すこし分は悪かったように思う。しかし、確かに勝つ目もある。
結果がどちらに転ぶかを見ることができるその場所までは、D鯖の魔神討伐は漕ぎつけることができた。
そう思うと、夜の出撃が待ち遠しかった。
しかしそれは考え違いだった。
結末は意外なところからやってきた。
昼食を終えてチェックしたツイッターには、10:30以降はもう討伐エリアに入れなくなっているという報告が数件あった。
んん? そんなばかな。
どどどどういうこと。おちつけおr
なんだなんだと思ってツイッターを巡回してみたところ、
どうやらタイムリミットは火曜日の定期メンテナンスではなく、月曜日の臨時メンテナンスだったということらしい。
あー。
なるほどね。そういうことね。
なるほどなるほど。
しかしどうやらこれは決定事項で、遡及も不可能なようだった。
「最後まで討伐を目指していた皆様には大変申し訳ございませんが、何卒ご理解いただきますようにお願いいたします。」
この一文がなによりも雄弁に状況を説明していた。
“バグミナ様”こと、HP一桁高い魔神討伐は、こうして決着した。
まだ宙で回っていると皆が思っていたコインは、実はもう地面に落ちていた格好だった。
あっけない幕切れに戸惑いの声は多かったけれど、魔神はHPを全快させた元気な姿でPOPした。
この運営の修正は色々な反応でユーザーから迎えられていた。
外道設定のクエストを賢明にも回避していた層と、D鯖の一部の層の間には明らかな温度差があった。
どちらも無理の無い話だ。
ふつーに遊びたい人からしたら、クルクルパーたちにいつまでも地獄仕様のブランコにしがみつかれて遊べないのはたまったものじゃないだろう。早くまともなブランコに取り替えてくれというのはもっともだ。
逆にD鯖のクルクルパー討伐層からすれば……、まぁ言うに及ばずだ。
私はといえば釈然としないことがあった。
バグだと言われても張り付いていたのは私たちだ。まぁ、修正はしゃーない。
でも月曜日がリミットってちゃんと言ってたっけ? というところだけは割り切れなかった。
だからツイッターでアンケートを取り、運営にもメールだと返事が手間だろうとツイッターで陳情してみた。
なにか措置が変わるとは思っていなかったが、やってダメだったのでこれには納得した。
後日談
こうして5月11日に私のレイドクエストは終わった。
魔神はまだ湧いていたし討伐隊も出ていたが、私が用があったのは数多のプレイヤーを激萎え撤退させたバグミナ様であってそいつじゃない。
《天地鳴動》の名にふさわしい、運営もユーザーも鳴動したイベントだったなと思う。
これは別に皮肉じゃない。
なにはともあれ、この1週間の復帰は充実したものだった。
クエスト報酬はもらえるようだったが、取りには行かなかった。
自慢じゃないが、私は結婚式の引き出物カタログも選んだことがないズボラ人間だ。
隅っこでラッパしか吹いていなかった私だが、
ふらんさん、げたさん、みそさんたちとは、何かの時に
「あの時はひどかったなwwww」
と笑って話してもまぁ許してもらえるだろう。
キザに思われるかもしれないが、私はネットゲームでこれ以上の報酬はないと思っている。
運営は大わらわだったようだ。
今回のイベントには色々と批判もあるようだったが、私はそんなに悪く言うようなもんじゃなかったかな?と密かに思っている。
諸所対応がまずかった、とってつけのイベントにしてはフカしすぎた、イルミナコピペて、等々。
ツッコミしろを挙げれば確かにキリがない。
しかし長期間レイドであったり、功績別報酬であったり、狙い自体はそんなに悪いとは思えなかった。
単に何か追いつかないものがあっただけだ。
ユーザーの一人として採点するなら、動かなければと思って行動した+30点。挑戦した+20点。ちゃんと人が集まった+10点。
合計60点。ぜんぜん赤点ではない。個人的な満足度で言えば、もっと上だ。
それに結果として見れば、少なくともD鯖は賑わった。上出来では?(異論は認める)
げたさんはその後も魔神に張り付くのにハマったようだった。
鬱憤を晴らすように暴れていたのが笑ってしまった。
わたしにとっては11日の魔神デポップは終わった話になったけど、
みそさんは「俺はまだあの件で運営を許してないよ」と言っていた。
恩讐に忠実な人間は好きだ。大草原だった。
今回の記事を書くのにあたり、ぴよたさんからどれだけ断片を消費したかを聞いてみた。
「だいたい4~5枠で、1回に150枚は吹っ飛ばしていた」と教えてもらった。
戯れに計算してみると、少なく見積もって禁断のページを4000回。
これ一回で10人のラッパ隊がそれぞれ10匹のドブネズミを走らせたとする。
4000×10×10=400.000
穴だらけの計算では、40万匹のドブネズミが走ったことになる。
バカバカしい数字で悪くない。スイさんのフラウを合わせるとさらにこの数は上がるだろう。
討伐エリアの参加者は、コアタイムでだいたい60名~80名ほどだったように記憶している。
お互い名前も知らない同士のままだったけど、みんな寝不足だったんだろうなと思うとこれも悪い気はしない。
たぶん私の知らないところでバグミナ様討伐の大勢の立役者がいたんだろうけれど、
ぴよたさんとスイさんは間違いなくそのうちの最右翼の内の二人だっただろう。
二人とも、まだもらったページがあるからと討伐に行くようだった。
かなわんなと思った。
実はネズミ供養の動画をつくろうと、討伐中に撮影もしていた。
ラストシーンが欠けてしまったのでそれはもうつくれないけれど、BGMにしたい曲は決めてあった。
供養ついでということで、それもここに残しておこう。