その日も、彼は一人でした。
冷たい部屋の片隅で、
明るい世界を隣に見ながら、
膝を抱えて、丸くなっていたのです。
一人ぼっちの彼にも夢や希望はありました。
でも、叶えるのは簡単ではなかった。
生きていくだけで精一杯だったし、
恵まれた自分の才能に多少の甘えもありました。
だから、目指した先と現実との距離が遠くなるばかりで、
縮まることはなかったのです。
そんな彼をあまりに不憫に思い、
手を差し伸べたのですが、
彼は強がって見せるだけで、
その手を掴もうとはしませんでした。
そうして彼は今日も一人。
凍える寒さに震えるだけ。
寂しげな目で彼は最後にこう言いました。
ニャ~...。

それでは、アデュ~!