ねぇ
その部屋 ずいぶん静かね
どうしたの? 

……え?
みんなみたいにできないって?

集団に入ると息が詰まる
会話の流れがつかめない
普通に笑えない

それで
自分は欠陥品なんじゃないか

なんでこんなふうに
生まれたんだろう
そう思ってるのね

---
しんどいわよね

合わせようとして疲れて
無理してもっと疲れて
できない自分をまた責めて
その繰り返し

でもね あなたが弱いんじゃない
世の中の環境があなた向けに
作られていないだけ

外の世界の「普通という物差し」は
声が大きい人向けに
作られていることが多いの
---
昔ね

宇宙の見方を

丸ごと変えてしまうことを言った
空海さんというお坊さんがいたの

その人の言葉

一切衆生悉有仏性
いっさいしゅじょう しつうぶっしょう

今の言葉で言うと

生きとし生けるもの

全員もれなく

「仏性」という

ピッカピカ

テッカテカに光る

仏の性質を持っている

それは誰だろうと例外なし

---

空海はね
この宇宙をひとつの大きな命だと
考えたの

その命はわざわざ
多様な形をとって現れる

丸い花もあればトゲのある草もある
明るい光もあれば深い影もある

もし宇宙が均一な正解だけを求めているなら
最初から同じ人しか作らないはず

あなたが普通に馴染めないのは
あなたがダメだからじゃない

宇宙があなたという形で
何かを表現しているから

---
仏性ってね
うまくやれる力じゃない

人気者になる力でもない

評価の前にある
光みたいなもの

 

誰かがあなたをバカにしても
あなたがどれだけ自分を責めても


あなたの仏性は

一ミリも傷つかない

雲が太陽を隠しても

太陽が消えないのと同じよ

そんなすごいものが

あなたの中にはある
---
空海は
曼荼羅〈まんだら〉という世界を描いた


引用:絹本著色現図曼荼羅  浄土寺蔵

 

 

中心に大きな仏
その周りに数えきれない個性

部屋で一人静かにしているあなたも
その一画なの


欠けたら世界は完成しない

---
集団に馴染めないのは
欠陥じゃない
感覚が繊細なだけ

音も空気も人の感情も
人より多く受け取ってしまう

だから疲れる
だから引きこもる

でもこれだけは分かっていて

あなたは普通になれないんじゃない

世の中が作った「普通という型」と
違うだけ

 

「普通の型」なんて

時代で変わっていくあやふやなもの

そしてあなたの型

あなたの生き方はちゃんとある

だから自分を責めなくていい

---

今日はね
無理に外に出なくていい
部屋の中でいい
静かなままでいい

あなたの中の仏性は
ちゃんと光ってるから

これ 本当だからね

 

だから
これでも食べて元気出しなさい

ティラミスとミルクレープと

ロールケーキのハイブリッドよ

 

 
 
 
 
 

こんなおいしいもの

これからもどんどん食べていこうね

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弘法大師空海(774-835)は

 

平安時代初期の僧で

 

真言宗の開祖です

 

讃岐国(香川県)に生まれ

 

若い頃から優れた学才を示しました

 

804年に遣唐使として中国に渡り

 

密教の奥義を学んで帰国しました

 

高野山に金剛峯寺を開き

 

真言密教の根本道場としました

 

京都の東寺も賜り

 

密教の拠点を築きました

 

書道・詩文・土木事業にも優れ

 

日本初の庶民のための学校

 

綜芸種智院を開きました

 

今も四国八十八ヶ所霊場で

 

人々とともに歩むと信じられています

 

 

ねぇ
ちょっと座りなさい

全然寝れてない顔してる

どうしたの?

……え?
また部長にやられたのね

あなたの成果を
さりげなく自分の成果にしたかと思えば

「俺の若い頃は」ってお決まりのやつ

たまに言い返してみたら
ちょっと何言ってるかわからない屁理屈で
返り討ち

そのストレスが響いて

あんまり眠れてないんだ

---
このままだとまだ削られるわよ

だってあなた
上司には理性的であってほしいって
思ってるもの

立場が上の人なんだから
ちゃんとしていてほしい

そう期待するのは まぁ普通よね

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昔ね
親鸞さんってお坊さんがいて
その人の言葉

煩悩具足の凡夫なり
ぼんのうぐそくの ぼんぶなり
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今の言葉で言うとね

欲も怒りも見栄も嫉妬も
全部フル装備の

欲望丸出し人間って意味

誰からも尊敬されていた

親鸞さんが自らのことを
そう言い切ったの

 

ちょっと面白いでしょ
---

ねぇ
人間は100パーセント
煩悩という不純物でできてる
そう思ってみて

あの部長も
認められたい寂しさ
追い抜かれる恐怖

それがパンパンに詰まった
風船みたいなもの

そんな彼を
上司という枠から外してみて

煩悩に振り回されて
ちょっと迷走しがちの子供
そう定義し直すの

するとね
あの人の言葉はナイフじゃなくなる
ただのノイズになる

---
もちろん

あなたも煩悩具足の凡夫よ

だから

腹が立つ自分も責めなくていい

「あんな言い方しなくていいのに」
そう思うのはあなたの中に
自分を大切にしたいという煩悩があるからだし

 

いちいち言葉に腹が立つのは

こころのどこかに「完璧な部下でいたい」という

欲があるから

それは
悪い事じゃない
人間なら当たり前のこと

---
あなたも部長も
どっちも煩悩具足の凡夫
泥の中で取っ組み合いしてるだけ

並べて眺めてみると
少し笑える瞬間が来るの

---

次になんか言われたら

心の中でこう呟いてみて

 

お互い、救いがたい凡夫ですなあ

 

これは相手をバカにしてるんじゃなくて

「人間だもの、しょうがないよね」という

究極のあきらめ

 

 あなたが「正しい上司」を求めるのをやめ

自分に「完璧な部下」であることを

求めなくなったとき

上司の言葉はあなたの魂まで

届かなくなるわ


---

とりあえず今日は睡眠欲に溺れなさい

これでもあっためて飲んだら ぐっすり

お・や・す・み

 

 
 
 

 

え 牛乳飲めないの?

しょうがないわよね 好き嫌いぐらい

人間だもの

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親鸞聖人(1173-1263)は

 

鎌倉時代の僧で

 

浄土真宗の開祖です

 

9歳で比叡山に入り

 

20年間厳しい修行を続けましたが

 

自力での悟りに限界を感じました

 

29歳で師・法然に出会い

 

念仏の教えに帰依しました

 

念仏弾圧で越後に流罪となり

 

そこで肉食妻帯し僧侶と

 

在俗の境界を超えました

 

「悪人正機」を説き

 

煩悩を持つ凡夫こそが

 

阿弥陀仏の本願の対象であると教えました

 

主著『教行信証』で教えを体系化し

 

庶民にも分かりやすく仏法を伝えました

 

自らを「愚禿親鸞」と称した謙虚さと

 

深い信仰心は今も多くの人々の心を打っています

 

 

ねぇ
ちょっとこっちきて座りなさい

・・・あれ? 聞こえてる?

さっきから
ずっとイヤホンつけっぱなしで
どうしたの?

……え?
止めると不安になる?

何も聞いていない

何も見てない時間があると
遅れている気がするのね

何かをインプットしていないと
不安になる

知識が増えていないと
自分が止まっている気がする

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それ 苦しいわよね

あなたは
怠けたいわけじゃない

むしろ
ちゃんと前に進みたい人

だから
本も動画も途切れさせない

でもね

一旦わたしの話も聞いて

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昔ね 修行とは何かを
頭で探し回る人たちに

「ただ座れ」と言った

道元さんというお坊さんがいたの

その人の言葉
 

 しかん たざ
只管打坐 

只管〈ただひたすら〉

打坐〈座る〉

---
インプット中毒はね
情報の暴飲暴食なの

食べ続けているけど
消化していない状態

耳から流れ込む言葉が
未消化のまま
脳に積み上がっていくだけなの

---

耳からの情報を止めて

ただ座ることは

脳に溜まった未消化の情報を

「知恵」へと変えるための

唯一のダウンタイムよ

どれだけレシピを読んでも
食べなければ
お腹は満たされない

どれだけ悟りの本を読んでも
座って自分と向き合わなければ

何も変わらない

それを道元さんは
ものすごく静かに指摘したの
---
スマートフォンやパソコンも
アップデートする時には

どんな操作も受け付けないでしょ

人間も同じ

何も入れない

何も学ばない時間が
一番深く整えられる

空白は無駄じゃない

肥大した頭を
静かにほどいてくれる

只管打坐は

最大のアップデートよ

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今日はね 何も学ばなくていい

これでも食べてゆっくりしなさい

これ見た目のインパクトすご

 

五分だけでいい
目を閉じて座ってみてね

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道元禅師(1200-1253)は

 

鎌倉時代の僧で

 

日本曹洞宗の開祖です

 

京都の貴族の家に生まれましたが

 

幼くして両親を亡くし

 

13歳で比叡山で出家しました

 

「人は生まれながらに仏性を持つのに

 

なぜ修行が必要なのか」という疑問を抱き

 

中国に渡って禅を学びました

 

修行と悟りが一体である教えは

 

日本禅の基盤となりました