ねぇ ちょっと座りなさい

……お疲れさま
今日も 頭 使いすぎてる顔ね

スマホと指先ひとつでさ
いろいろ知っちゃうでしょ

誰が成功したとか
何が流行ってるとか
効率のいい生き方とか
人生の勝ち方とか

頼んでもないのに
どんどん流れてくる

気づいたら
情報の濁流の中で
溺れないように
必死になっちゃってる
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今あなたに必要なのは

阿難さんの言葉かも

昔ね
「多聞第一」って呼ばれた
阿難さんというお坊さんがいたの

この人本当にすごくてね

お釈迦さまの言葉を一語一句
全部 覚えてたの

今で言えば世界最先端の

情報を持ってる人よ

でもね それでも
阿難さんはお釈迦さまが
ご存命の間に

悟りに至ることができなかった

心はずっと乾いたままだった
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なんでだと思う?

理由はねシンプルなの

知ってることと
分かってることは
まったく別ものだから


たくさん
知識を集めても

それが自分の経験を
通ってなかったら
智慧にはならないの

 

お釈迦さまがなくなり

張り詰めていた糸が切れて

横になろうとしたその一瞬

悟りに至った

 

その時残した言葉 それが

多聞は智慧にあらず

たもんは ちえにあらず

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あなたが今 疲れてる理由ね

それ
知識が足りないからじゃない

むしろ詰め込みすぎてる

誰かの言葉
誰かの正解
誰かの人生

それで
自分の声が聞こえなくなってる

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じゃあ どうしたらいいかって?

ぶっきょうちゃんが
教えるわね

まず 「分からない」を 

大事にするの

ネットに書いてある答えを
自分の答えにしなくていい

「まだ分からない」って認めた瞬間

そこに
あなただけの智慧が
芽を出す場所ができるの


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 次 「情報の断食」ね

阿難さんが
最後に悟ったのって

全部諦めて
横になろうとした
無防備な瞬間だったのよ

探すのやめた
考えるのやめた
追いかけるのやめた

ただ
雨の音
肌をなでる風

その
何でもない時間が
知識を智慧を育てたの

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ひとつ はっきり言うわね

あなたは
検索結果の集合体じゃない

誰かの言葉で
自分を飾らなくていい

智慧ってね
自分の体を通して
体験して

「ああこういうことか」
って
腹の底で分かったことだけ

それだけよ

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 今日は もう 
スマホそっと電源切って

知識を増やすのは
今日はおしまい

これでも食べて 元気出しなさい

コーヒーも淹れてあげる

 

 

今夜は
何者でもない
ただのあなたで
ゆっくり眠りなさい

それで十分よ

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阿難尊者(アーナンダ)は

 

釈迦の十大弟子の一人で

 

釈迦の従弟にあたります

 

25年間

 

釈迦の側近として仕えました

 

記憶力が抜群で「多聞第一」と称され

 

釈迦の教えをすべて暗記していました

 

釈迦の入滅後

 

第一回仏典結集で経典の編纂に

 

中心的な役割を果たし

 

「如是我聞(このように私は聞いた)」

 

という言葉で多くの経典を伝えました

 

穏やかで優しい人柄で

 

女性の出家を釈迦に

願い出たことでも知られています

 

仏教の教えを後世に伝えた功労者です