ねぇ 今日はちょっと疲れた顔してるね


どうしたの?

……え?
あぁ
そうか

後輩の前でも
同僚の前でも
ちゃんとしてる自分でいなきゃ
って思ってるのね

弱いところ見せたら
がっかりされそうで
頼られなくなりそうで

「ちゃんと出来てる人」
その目線が
逆につらくなってる

本当は
しんどいんでしょ

 ねぇ 法然さんの話 聞いてくれる?

昔ね
仏教の世界で
すごく大事なことを
ものすごくシンプルに言った

 

法然さんって人がいたの

この人ね
頑張って立派になろうとする人ほど
苦しくなってるのを
ちゃんと見てた

そんな法然さんが
こんな言葉を残してるの

智者のふるまいをせずして
ただ一向に念仏すべし


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## 今の言葉にすると こういうこと

賢そうに振る舞わなくていい
出来る人っぽくいなくていい

迷っても
弱くても
それでいいから
自分の場所に戻りなさい

そう言ってるの

ちゃんとしてる自分を
ずっと演じてるとね
戻る場所がなくなる

弱音を吐いたら
今までの自分が
全部崩れそうで

でもね
法然さんは
それを
無理だって言ったのよ


強く見せ続ける人ほど
一人になったとき
一番しんどい

出来る人でいなくても
あなたの価値は変わらない

今日はさ
出来てる自分
ちょっと下ろしなさい

これでも食べて 元気出しなさい

いい緑茶も淹れてあげるわね

 


弱いって思える人は
もう
ちゃんと進んでるのよ

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法然上人(1133-1212)は

 

平安時代末期から鎌倉時代の僧で

 

浄土宗の開祖です

 

9歳で比叡山に登り

 

43歳まで厳しい修行を続けました

 

しかし自力での悟りの難しさを痛感し

 

「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば

 

誰でも阿弥陀仏の力で救われると説きました

 

学問や修行ができない庶民も平等に救われる

 

この教えは多くの人々に希望を与えました

 

既存の仏教界からは批判を受け

 

晩年は四国に流罪となりましたが

 

弟子たちとともに念仏の教えを広めました

 

優しく穏やかな人柄で

 

日本仏教に新しい道を開いた人物です

 

 

 

 

ねぇ どうしたの そんな顔して

ちょっとこっち来なさい

下向いて
口もきゅっと結んで

どうしたの?

……え?
あぁ
そうだったのね

お父さんのメガネ
踏んづけて
壊れちゃって
そっと隠しちゃったのね

誰にも言えなくて
怒られるのが怖くて
胸がぎゅってなってる顔

「ぼくは悪い子だ」
そう思ってるでしょ

---

ねぇ ミラレパさんの話 聞いてくれる?

昔ね
とても厳しい人生を生きた
お坊さんがいたの

ミラレパっていう人

この人ね
若いころ
本当に取り返しのつかないことを
してしまった人なの

あとで
ものすごく後悔して
泣いて
苦しくなって
自分を責め続けた

そんなミラレパさんが
こんな言葉を残してるの

「罪を知る心こそ 道のはじまり」
---
今の言葉にすると こういうこと

悪いことをしたって気づけた心

それがもう
変わりはじめてる心ってこと

何も感じなかったら
何も始まらない
---
 

でもね
今のあなたは
ちゃんと
胸が苦しくなってる

それは
悪い子だからじゃない
分かる子だからよ


壊しちゃったことより
隠しちゃったことより

「お父さんに悪いことした」
って思ってる気持ち

それがあるから
今 こんなに
しんどいんでしょ

それはね
大事な心なの


---
悪い子はね
「悪いことした」
なんて思わない

後悔できるってことは
ちゃんと
良くなろうとしてるってこと

言えなかった自分を
責めなくていい

今日はさ
勇気を出す前の日でいい

話せるタイミングは
必ず来るから

これでも食べて 元気出しなさい

にんにん

 

 

 

あなたは悪い子じゃない
ちゃんと
道の入り口に立ってる子よ


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ジェツン・ミラレパ(1040-1123)は

 

チベット仏教の偉大な聖者で

 

詩人としても知られています

 

若い頃は黒魔術で人を殺めるなど

 

罪深い人生を送りました

 

深い後悔から師マルパに弟子入りし

 

過酷な試練に耐えながら修行を重ねました

 

洞窟で瞑想を続け

 

イラクサだけを食べて生活したため

 

体が緑色になったと伝えられています

 

最終的に即身成仏を果たし

 

多くの弟子を育てました

 

悟りの境地を歌った「十万歌」は

 

チベット文学の傑作として今も親しまれています

 

罪人から聖者への劇的な変容は

 

多くの人々に希望を与えています

 

 

 

 

……あら、さっきから

ずっと立ち止まってる?

ねぇ、
ちょっと座りなさい。

考えてるのは分かるけど、
手がぜんぜん動いてないわよ。
眉間にシワ、寄ってる。

どうしたの?

……え?
あぁ……そう。
「完全に理解してから始めたい」
って思ってたら、
結局、何も始められなくなったのね。

これで合ってるのかな。
失敗しないかな。
もっと調べたほうがいいかな。

そんなふうに考えてるうちに、
時間だけ過ぎちゃった顔。

ねぇ、達磨〈だるま〉さんの話、してもいい?

昔ね、
とにかく余計なことを
一切言わなかったお坊さんがいるの。

達磨
っていう人。

この人、
長い説明も、
丁寧な理屈も、
ほとんど残してないのよ。

そんな達磨さんが
大事にしてた考え方が、これ。
 

不立文字〈ふりゅうもんじ〉

今の言葉にすると、こういうこと

「説明に頼るな」
「言葉にしすぎるな」
って意味。

つまりね、
分かってから動くんじゃなくて、
動きながら分かればいい
ってこと。

頭で納得してからじゃないと
一歩も出せないなら、
たぶん、
一生スタートできないのよ。

これ、今のあなたそのものじゃない?

ちゃんと理解しないと。
失敗しない形を決めてから。
正解を選ばないと。

そうやって
考えれば考えるほど、
動けなくなってる。

でもね、
分からないままやるから、
「分かった」が生まれる
の。



行動もしないで

完璧に分かったって人、
見たことある?

だいたいみんな、
よく分からないままやって、
途中で修正してるの。

だから今日はね、
理解しなくていい。

小さくでいいから、
手を動かしなさい。

合ってるかどうかは、
あとで決めればいいのよ。

今日はさ、
正解を出さなくていい日。

考えすぎた頭は、
糖分を求めるわ。

これでも食べて、元気出しなさい。

北海道ってだけで美味しさ1.2倍よ。

 

 

 


分からないまま進んだ一歩が、
後々考えたら

いちばん強い一歩だったりするから。

 

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達磨大師(だるまたいし)は

 

5-6世紀頃のインド出身の僧侶で

 

中国禅宗の初祖とされています

 

南インドの王子として生まれ

 

仏教を学んだ後に中国へ渡りました

 

少林寺で9年間壁に向かって

 

坐禅を続けたという伝説で知られ

 

「面壁九年」の逸話は有名です

 

「不立文字(文字や言葉に頼らず)

 

教外別伝(直接心から心へ伝える)」

 

という禅の核心を示しました

 

その教えは日本にも伝わり

 

禅宗の基礎となりました

 

赤い衣と鋭い眼光の「だるま」として

 

今も日本文化に親しまれています