【文字】停電の夜 | 二代目の修行日記

【文字】停電の夜

昨夜、計画停電により夜の7時から9時頃まで街から明かりが消えた。真っ暗な街を見てみたいと思い、歩いて近くにある織姫山に登った。それは好奇心からくる行動であったことは否定しない。

山頂にある古墳の上に立って街を見下ろした。嘘のように人影はなかった。車のヘッドライトだけが渡良瀬川の橋の上をゆっくりと通過していく。

僕はそこにしばらく立っていた。被災地のことを考えてみた。きっとここよりも暗いのだろう。そしてもっと寒いのだろう。家族の安否もわからない人々がいる。たぶん僕には想像も出来ない精神状態で苦しんでいる。涙が止まらなかった。まわりに誰もいなくてよかった。


翌日若女将がタンスを開けてなにやらゴソゴソしている。訊くと未使用タオルなど市が集めているときいたので持っていくとのこと。自分の楽しみのために貯めた一万円といっしょに市役所に届けに行った。


僕たち夫婦のお気に入りの子がいて近所のホテルに勤めている。さっきその子のブログを読んだ。


「関東以西に住む友人、とても心を痛めてます。普通に生活できるのが申し訳ないと……。でも、普通に生活できる人は普通にしてほしい。今はまだ混乱の中だけど、いつか、その人たちの力が必要とされる日がきっとくるから、それまで元気に過ごしてほしい。わたし自身もそれを心がけてます。」 みどりいろの日々 から


彼女たちは今どう考えて何をしたらいいのか知っている。そしてそれを実行している。


僕はといえば批判ばかりを口にして、自分は無力だなんて愚痴ったりして何もしていない。


情けない