2年振りに、須貝選手のトークショーがDucati札幌で開催されました。
北海道は世界選手権も、全日本選手権も開催されない為、プロのロードレース選手と接する機会が、滅法少。
そんな諸事情がありますが、皆さんロードレース好きな事には変わりなく、この日も、須貝選手に会いに、沢山の方が訪れた。
写真左から「須貝選手」「武石選手」「ドカ札の方々」
今回のトークショーのメインは、Ducati 1199 で参戦された、2012年のFIM世界耐久選手権シリーズ 通称 鈴鹿8耐のお話をたっぷり1時間半、聞く事が出来ました。(iPhone ボイスメモにも収録)
トークショー後は、閉店時間まで須貝選手に個別質問出来る、スペシャルタイムもありました。タイヤの事、サスの事、1199パニガーレの事、普段疑問に感じている事を皆さん質問されていました。
話しは飛びますが、先の2月24日、SBKの2013年第1戦がフィリップアイランドで開催され、C.チェカ選手のDucati 1199が昨年のMotoGPのDucatiチームよりも速い、驚異的なタイムでPPを獲得しています。SBKは「市販車世界1決定戦」と言われており、市販車ベースのマシンが、MotoGPのレース用プロトタイプマシンよりも速い!って驚く方もいますが、誤解を恐れずに言うと、SBKはインチキ市販車なわけで、あれは市販車の域を逸脱した、(限りなくプロトタイプに近い)ニアプロトタイプマシンである。
近年、その事が問題になって来ており、出来る限り市販車に近づけようという動きが起きています。
実は全日本選手権のJSB1000も市販車とは言いつつも、メーカーから特殊なパーツが流れて来ており、純市販車、純社外パーツで仕上がっているマシンは、皆無に近いそうです。
そんな中で須貝選手の1098Rは希有な純市販マシンであり、そこにロマンを感じます。
つまり、メーカーの息がかかったセミワークス VS プライベータの図式は、今の時代にも色濃く残っていると言う事か。
話しを脱線させた意図ですが、今回のトークショーで感銘を受けた言葉「価値を見出す」に掛かって来ます。
速い事、チャンピオンになる事、優勝する事。レースをする上で大きな価値である事に間違いはありません。しかし、レースをする価値はそれだけでしょうか?
それ以外の事に、価値はないのでしょうか?
先の話しを繰り返すと、メーカーの息が掛かっていないチームは、勝つ事が非常に困難なのが今のレースシーンです。
勝てないレースに参戦する事は、価値がないのでしょうか?
もし、価値がないのなら須貝選手のトークショーに、これだけ多くの方が集まるだろうか?
もし、これからレースを始める方も、迷っている方も、自分なりの「価値」を見出してみては如何でしょうか。
例え、予選落ちしても笑う人は居ません。
参戦した事に「価値」があると私は思います。
次回はその「価値」を少し磨いてみては如何でしょうか。
勝つ事以外にも、多くの「価値」がレースにはあります。先ず、その価値に気づく事が大切だと。
余談
~武石選手トーク編~
カワサキというメーカーは「やはり」最高速に「価値」を見出す社風で「谷田部で320km/h出た!」という事に、一喜一憂するそうだ。その谷田部ですが、オーバルコースの為、市販スリックではタイヤが2周は保たず、センターにクラックが入る。
よって、最高速アタックは、一発勝負。
でもね、サーキットには谷田部の様なシチュエーションはなく、最高速を追い求めるよりも「加速性の方が重要なんです」と、武石選手。
しかし、いくら言っても分かってくれない。
だって、最高速こそがカワサキの「価値」なのですから。