一、予想外の不合格だった方へ
1.悔しい思いをしていると思います。
皆さんは、人生を賭けた勝負をして、全てを賭けて勝負をしたわけですから、悔しいのは当たり前です。今、みなさんは、「今後の自分の人生どうしよう」、「自分はこの後何年受験しても受からないんじゃないか」という不安でいっぱいだと思います。また、周囲の人々やご家族からは「どうして受からないの?」とか「もうやめたら?」とか、厳しい言葉を浴びせられている人も多いはずです。「この試験の厳しさを知らないくせに、勝手な事ばかり言ってんじゃねぇ!!!!!」・・・心の中で何度も叫びたくなると思います。(実際に叫んだ人もいるかもしれませんが・・・汗)
しかし、やはりこの試験を選択して受験を始めたのは自分自身です。“謙虚な姿勢”で受け止めて、頑張るしかありません。(一定以上の長期受験者の)司法書士試験の試験科目の中には、「自分の周囲の人間による叱責との戦い」がどうしても含まれてしまいます。(自分の受験によって周囲の人間に何らかの形で迷惑をかけていることは事実として受け止めるしかありません。)「悔しいけどしょうがない!次回こそは!」と、悔しさを飲み込んで戦って下さい。
ところで、“謙虚な姿勢”というコトバは、受験生にとっては非常に大切なキーワードになります。
どういうことか・・・
2.今年の本試験の結果を受けて、
「自分は精一杯勉強したのに、数点足りなくて合格出来なかった。ただ運が無かった・・・勉強すべきことなんて去年までで全部やっちゃったよ・・・これから何を勉強していけばいいのか分からない・・・誰か助けてくれ・・・」こう考えている受験生の方は多いと思います。まず、「ただ運が無かった・・・」というポイントをもっと具体的に言うと、「記述式商業登記法の“4倍ルール”のハナシに現場で気付いてさえいれば・・・」「“監査役会の設置”の論点を運よく書けてさえいれば今頃は・・・・」という人が多いのではないでしょうか?
確かに、以上の論点を落としたという理由によって合格出来なかった方は多かったと思います。
しかし、以上の論点のようないわゆる「メイン論点」を落としつつも、他の箇所を完璧に仕上げて合格している方もたくさんいます。
ということは、やはり、「実は、“全体的な実力不足”が原因で不合格になるべくしてなった」ということになってしまいます・・・(受け入れ難い事実ですが・・・多くの方にとっては自覚があるのではないでしょうか?)。
ですから、ここで“謙虚な姿勢”がとても大切になってきます。
そして、「これから何を勉強していけばいいのか分からない・・・誰か助けてくれ・・・」というポイントについては、まずは、「自分が勉強すべきことを探す」ことが必要になります。
例えば、「自分は実力の底上げが必要だから予備校の中上級講座を受講するぞ!」とか「自分は民法が苦手だから民法の条文を全部読むぞ!」とか、そういうざっくりした話ではなく、「何を勉強したら合格に近づけるのか」を具体的に手持ちの資料から探し出してほしいんです。
例えば、「今年の本試験において、自分がミスした箇所と知識不足で解答できなかった箇所を分類して整理していく」とか、「去年まで使っていた参考書、問題集をもう一度開いてみて、自分が苦手としていた分野が完全に克服されていたかをチェックしていく」という作業をしてください。そうすれば、自然と「これから何を勉強して行けば合格できるのか」が見えてきます。
そして、必ずそれらをノート等にまとめて、来年の本試験対策に使える形にしてください。
「本試験現場での個人的なミス」や「個人的な苦手論点」については、予備校講師に聞いたり、書籍を読んだりしても、解決することはできません。自分で発見していくしかありません。
以上のような「個人的にミスしやすい箇所」や「個人的な苦手論点」を自分で把握していると、その後の勉強において非常に役立ちます。例えば、民法の条文を読んでいく際にも「ここは自分がミスしやすそうだから要チェックだ!」というように、弱点になりうる箇所に着目できるようになります。
3.以上のように「ちょっとした勉強のコツ」をもって、今年悔しい思いをした皆さんへの激励の言葉とさせて下さい。
これからまた約1年かけて受験生活を送るのは非常につらいことです。ただ、次の1年は皆さんへの「人生の試練として、必要な1年だった」と数年後に言えるようになると信じています。
応援しています!
小玉 真義
二、見事合格なされた方へ
おめでとうございます!これまでの勉強、本当に大変だったと思います。
今頃は、これまでお世話になった周囲の人たちへの連絡で忙しい時間を過ごしているのではないでしょうか?
これからはしばらく、「これから、この資格を使って、自分の人生をどういった人生にしようか」ということに悩むと思います。
先輩司法書士等の周囲の人々から色々なことに聞きつつ、最良の選択をしてもらえたらと思います。
本当におめでとうございます!
小玉 真義